玉川上水日記

このブログの内容はすべてフィクションです

このブログの内容はすべてフィクションです

方向音痴

▼チョコレートが好きだ。高いものじゃなくてかまわない。カカオの成分が少ない準チョコレートでかまわない。準チョコレートは、足りないカカオの分を適当に何か入れて補っているわけで、そういう安いやつでいいんですよ。安い舌に安いチョコレート。そんなことを普段から言っていたら、隣席のTさんが準チョコレートをくれた。わざわざ安い準チョコレートを選んでくれたのだと言う。そんな気を遣わないので、高いチョコレートだっていいのに。しかし、言ったらもらえる時代がやってきたのか。

 

今後、準チョコレートではなくフカヒレの姿煮が好きと言っていく。これでひょっとして‥‥ウヒヒヒ。

 

 

 

▼野菜高いなあ。白菜550円の狂気よ。しばらくはトマトの缶詰でも買ってトマトスープでも作ってたらいいのかな。

 

 

 

▼方向音痴ということがよくわからない。正しく目的地にたどり着くには、目的地、現在位置、今自分が向いている方角の3つの情報があればたどり着けると思う。方向音痴の人は、現在自分が向いている方向を認識する能力に欠けるのかな。友人A子と出掛けたが、A子はスマホを取り出してグーグルマップで現在位置を確認した後に、明らかに逆方向へと歩き出した。これなどは今自分が向いている方向がどちらか把握していないから起きる間違いなのだと思う。自信満々で間違える人を見ている。

 

10分ほど歩いた後に「なんだかこっちじゃない気がする」と言っている。そうだ、スタートから違っている。私が印刷した地図を懐から取り出すと「紙の地図‥‥、江戸時代か」と笑われた。江戸ではない。「今いるのがここで、さっきいた場所がここで、スタートしたときからすでに逆方向に行っている」と説明したが、なぜ、わかっているのに間違いを指摘しないのだと責められる。そう言われれば、そうなんだ。話しているうちに、これは怒られるんじゃないかと思ったんですよ。つい、目の前で方向音痴を発見したので興奮してしまった。人は何に興奮するかわからない。

 

しかし、3つの要素で目的地にたどり着けるはずなのに、どうして間違えるのだろう。優秀な人間でもしばしば方向音痴の人を見かける。A子に確認しても、自分がなぜ方向音痴かはわからないようだった。そう、これが本当の「わからない」なのだ。何が問題点かわかったらもう解決は見えている。原因はおろかどこが問題なのかも「わからない」ということは純粋な方向音痴である。すばらしいなあ。

 

A子に飴を一個与えてみた。私の手からひったくるようにして食べた。方向音痴は飴が好き。これからも観察していきたい。

 

 

 

▼映画の感想「日本で一番悪い奴ら」を書きました。実際に起きた稲葉事件を基に映画化。うーん、警察の腐敗ではすまされない事件。