玉川上水日記

このブログの内容はすべてフィクションです

このブログの内容はすべてフィクションです

忘年会

▼幼馴染との忘年会。8時間ぐらい話して声が枯れた。修学旅行に行った日なども声が枯れたけど、ちょっとはしゃぎすぎてしまった。5年ぶりに会った友人もいた。みな、いろいろある。40歳を超えると、両親どちらかが亡くなっていることもある。男ばかり10人集まったが、そのうち私も含め6人は父親が亡くなっていた。母親側はまったく亡くなっていない。恐るべし、女。

 

友人Gの父親は気さくだけど長身で怖い人だった。そもそも、子供の頃はどこの家も父親自体が今よりもかなり怖かった。友達的な感じなどまったくなくて、子供に興味がない人が多かったんじゃないかな。友人Gの父親の機嫌が悪いとき、何もしてないのに怒鳴られた覚えがある。ひどい八つ当たりオヤジである。あれは怖かったなあ。

 

友人Gの父親は肝臓癌で亡くなったという。肝臓が機能せずに最後は黄疸が出て体が黄色くなってしまったという。「ピカチュウみたいに全身黄色くなって死んだわ」というので笑ってしまった。しばらく二人で笑い続けていた。ちょっと悲しくて、少しだけ涙が出そうになった。彼らしい不謹慎な冗談だった。彼とは部活も一緒だし小学校から高校までずっと一緒だった。言い訳も弁解もする必要もない間柄だから、少しふざけたのだろう。学生時代のようなくだけた姿を見せてくれたのが嬉しい。苦しかったのかもしれないなと思った。人生、楽しい事ばかりじゃないから笑い飛ばしていくんだ。

 

知り合いが少しずつ減っていく。私の父も、友人Gの父も、あちらに行ってしまった。またあちらで会ったら、八つ当たりしてくれればいい。