玉川上水日記

このブログの内容はすべてフィクションです

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開ける人

▼親戚が来る。隙あらば奴らはやってくる。一人いたら三十人いると思え。それが親戚だ。いつか怒られる。

 

伯母ちゃんたちは元気である。そんでやたらに菓子を勧めてくるのだ。ご飯を食べた直後でも関係ない。「まだ食べられるでしょ」って、そりゃそうだけど、べつに限界に挑戦しているわけじゃないんだから。持ってきたお菓子を全部開けてしまう。ポテトチップの袋などは、みんなが食べやすいようにパーティー開けにするでもなく、縦方向に全部切ってしまうという前衛的な開け方。余ったときのことを一切考えない。

 

「若いんだから大丈夫」って、もう私も四十歳を過ぎた。若くもなかろうよ。老眼、始まったし。そりゃ、伯母ちゃんは八十歳を超えているので、伯母ちゃんからすれば全員若くてヒヨッ子。「ちょっと前にさあ」と言って話し始めたのが三十年前の話。「だいぶ前にさあ」と言ったら江戸まで行くのではないか。奴はそのぐらいやる。

 

いつまでもお元気で。と言いたいが、下手すれば私の方が先に逝く。

 

 

 

▼相撲のことはよくわからないのだけど、昼ぐらいに観ると場内が微妙に暗いのだ。わずかに照明を落としているように見える。この暗さというのは、まだ力士が弱いから「おまえたちはまだ光を当ててやるほどでもない」という意味なのかな。この時間の行司は足袋を履いていずに裸足でやっている。物言いがついたときは審判がマイクで場内に説明をする。その際、上の番付の力士は四股名で呼ばれるが、下の番付は東方力士か西方力士と言われ、四股名を呼んでもらえない。まだ、おまえたちは名前を呼ばれるほどの存在ではないということか。

 

出世すれば一人前に扱ってやる。だから早く出世しろという叱咤激励なのかもしれない。体育会系だなあ。

 

日馬富士のことをなんか言うと見せかけて言わない。そうはいかない。誰と戦っているのか。

 

 

 

▼映画の感想「ドキュメンタル」を書きました。書いていたけど忘れていた。お笑い格闘技みたいなやつです。Amazonプライムに入ってしまったおかげで、ついつい映画を観てしまう。映画の感想も気づけばもう899本。誰に脅迫されたわけでもないのに、よくもまあこんなに。あきれる。病気なのかもしれない。

 

900本目は何にしようかなあ。