玉川上水日記

このブログの内容はすべてフィクションです

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間の仕事

▼近所に手作りシュークリームの店がオープンしたので買いに。店内には若い女性しかいない。おっさんが場に混ざる異物感。その圧に負けずにシュークリームを買う。おっさん代表として、アタイ負けられない! という心境。私の他にもう一人のおっさんを発見。目が合う。「おたくも好きですな」「やはり甘い物はたまりませんなあ」と通じ合った。知らんけど。

 

ホイップシューは生地がパリパリしていて、生地を噛むとクリームが溢れ出てくる。美味し。手作りシュークリームは皮をパリパリさせたがるのかな。しっとりしている奴も好きなのだけど。生まれつき安い舌をしているのか、コンビニのシュークリームのほうが合うような。お手軽価格で幸せを味わえるコストパフォーマンスの良い舌ともいえる。貧乏舌。

 

 

 

▼プロジェクトが終了。また新しい人と組むことになる。次に組む人への要望はあるかと訊かれた。特にスキルは必要なく、エクセルができればいいぐらい。もっとも重要なのは間にある仕事をやれることではないか。お互いの仕事の領分があったとして、どちらがやってもいい仕事というのが必ず出てくる。相手が仕事をしやすいように、一歩進んでその部分をやれる心遣い。トイレットペーパーがなくなったとき、次に使う人のために紙を換えてくれるような親切心が重要に思える。

 

知人のフェイスブックを覗いて、その生活が充実しているのを見て発狂するのが趣味の卑屈くんという人がいる。彼に要望を伝えてもらったところ、後日、部長から呼ばれた。「次に組む人への要望なんだけど『自宅のトイレットペーパーを換えてくれる人』ってどういう意味?」と訊かれる。

 

そんなことは言っていない。なんで「自宅の」と付けてしまったのだろう。掃除のおばちゃんを探しているわけではない。いろいろ省略しすぎている。

 

 

 

▼映画の感想「偉大なるマルグリット」を書きました。音痴な歌手の話。誰も音痴と言ってくれない淋しさ。