▼髪型をオカッパにした人を見ると、必ずそばにいって「またまた~。毒キノコみたいな頭して、どうしたの?」といってしまう。これをいうのが楽しくてたまらない。いわれる側の人間も、わたしがニヤニヤして近寄ってくると毒キノコ呼ばわりされると察っするようになった。「毒‥‥」ぐらいのタイミングで「どうもしません」と冷たくあしらわれる。
君ら、年寄りの楽しみを奪っていいのか。心苦しくないのか。
▼世の中の揉め事の大半は、いい方一つで避けられるという話を聞く。なるほどそうかもしれない。マイナスのイメージがある「田舎」という言葉も「自然が豊かな所」といわれれば悪い気はしない。佐藤優さんの本にも、外国との交渉で相手方に「嘘をつかないでください」といえばケンカになるが「お互い正直にやりましょう」といえば、同じことをいっているのにうまくいく、とあった。すべてはいい方ともいえる。
最終的には、意識しなくてもそういった言葉が自然に出るようになるのが理想なのだろう。テクニックとしてそういった言葉を使うのではなく、自然にそういった言葉が出るような人間になるというか。それには、本当に性格のいい人間にならないと駄目なように思うのだ。だが、最初はテクニックとして外側から入るしかない。やがて内側が追いついてきて心からそう思えるようになるのではないか。
それはそれとして、今日も人を毒キノコ呼ばわりする。
▼会長の句会の手伝い。「君の名は」を知っているか? と訊かれたので戦後にやっていたラジオドラマかと思った。「放送が始まる時間は女湯から人が消えたっていうドラマですか?」と訊き返したら「いつの話してんの。漫画だよ。『前前前世』って曲知らん? 若いのになあ」と呆れられた。
まさかお年寄りから前前前世なんて言葉を聞くとは。SFも理解できるのかな。みな意外と若い。わたしが思っているより、お年寄りはお年寄りじゃないのかもしれん。「前前前世というより、もうすぐ来世が見えてるけどなあ!」と嬉しそうだった。
来世、生まれ変わったらパンダになりたい。パンダの赤ちゃんになって、みんなにチヤホヤされたい。
▼いかにもありそうな嘘を考えるコーナー。
「航空自衛隊のメニューにはスクランブルエッグがない。『スクランブル』は軍用機の緊急発進を指すことから、スクランブルエッグは縁起が悪いと避けられている」
かなりいい嘘ではないか。1回目ということもあり、この嘘に85点をつけたい。
なぜこんなことをやっているのか、よくわからない。