玉川上水日記

このブログの内容はすべてフィクションです

このブログの内容はすべてフィクションです

ファスナー

▼今使っているエアコンが冷えなくなってきたので買い換えなければ。家は変な間取りなので、なかなか冷えない。エアコンも、もう15年ぐらい前のものである。価格を調べると工事費込みで一畳一万円というのが、だいたいの相場らしい。百畳だと百万円ということになる。うーん、百万円かー。懐が冷え冷えである。もはやなんのために働いているのかわからないことになる。

 

 

 

▼女物で、背中にファスナーがついている服がある。事が終わり、女が服を着て「上げて」と男に背中のファスナーを上げさせる。そんな場面を映画で観かけることがある。あれがよくわからない。自分で上げられないとしたら、家を出るときどうやってその服を着て来たのだろう。着方がよくわからないのだ。

 

家の壁にフックがあって、まずそこに服のファスナー部分を引っかけます。その服(おそらくワンピースのような形状)の下から潜り込むように体を入れて着る。このとき、ファスナーがフックから外れないようにする。そんで、背中のフックとファスナーをうまく抑えたまま、体を下方向に移動させる。がに股でしゃがむようにすると、体重の重みでファスナーが上がるのではないか。ファスナーが上がったら、今度はフックからファスナーを抜く。高い所にかけていた場合、ジャンプして抜くのだろうか。どんな美女でも、がに股になったり、ジャンプしたりしていると考えると間抜けである。ははは。

 

違うと思います。何かわたしの知らないやり方があるのだろう。間抜けはおまえのほうだという。

 

しかし、あの「上げて」という命令も、かなりいい女感を醸し出している。そうでない人間がいったなら、後頭部をスリッパで叩かれても仕方ない気がするが、そんなことはないだろうか。なにこの文章。

 

 

 

▼BSで再放送していた「マイケル・サンデルの白熱教室 トランプ派対反トランプ派」を観る。観ようと思っていたわけじゃなくて、テレビをつけたらやっていたから観たのだけど予想外の展開で引き込まれた。

 

トランプ支持者に対する偏見がわたしの中にあって、話を聞かない人たちなのではないかと思っていた。最終的には拳で解決になったら面白いと思っていたら、そんな番組ではないという。当たり前か。この番組に出ているトランプ支持者はとても冷静で、トランプ氏の政策や行動をすべて支持しているわけでもない。反トランプ派の意見や価値観の違いを受け入れ、反論にもきちんと耳を傾けていた。

 

討論番組でよくありますが、相手の発言をさえぎって自分のいいたいことだけをいったり、相手をへこましてその場を制したら勝ちということじゃないんですね。相手を侮辱したり人格批判などもない。そういった態度が本当に問題解決に繋がるのかが疑問で、ほとんど討論番組を観なかったのだけど、この番組は違った。サンデル教授の巧みな進行もあって、怒鳴り合いになるようなこともない。

 

番組は2時間あり、収録時間は2時間を超えているだろうから、実際はもっと長く討論をしていたことになる。やるにしろ、観るにしろ、なかなかのエネルギーを使いますね。討論の中では、マスメディアの姿勢についても取り上げられる。極端で過激な意見がもてはやされ、「ようするにどういうことなの?」とすぐに結論を求められる。わかりやすい意見だけが放送され、複雑で理解に時間がかかるものは捨て置かれてしまう。そんなものは視聴率が取れないし、誰も観ないということだろうけど。でも、極端で過激な意見ばかりが放送されるというのは問題に思える。ジャンクフードは美味しいけど、たまには野菜もねという。

 

トランプ派も反トランプ派も丁寧に議論をするうちに、お互いがわかりあえるのではないかという希望を持って番組を終えた。特に移民問題については移民排斥を唱える人が誰もいなかったことにも希望が持てた。でも、それはこれだけの時間、きちんと時間を使ったからだろう。誰もが観る番組ではないにしろ、こういった番組は意義があるしやり続けてほしい。この番組はNHKが企画したものなんですね。アメリカでは放送されないのかな。だとするとすごく残念に思える。久しぶりに、まともなアメリカ人を観たようで嬉しかった。ほら、ふだん、銃で頭をふっ飛ばしたりする映画ばっかり観ているから。

 

 

 

▼百畳の家に住んでない。念のため。二畳ぐらいである。そこにわたしの家がある。お給料はドングリだし、ボーナスではヒマワリの種が出る。今度のボーナスでは、回し車を買おうと思います。