玉川上水日記

このブログの内容はすべてフィクションです

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父の日

▼父の日、お父さんにパソコンを贈ろうという宣伝メールがDELLから来る。DELLでパソコンを買う人は、自分用にカスタマイズして注文するイメージがある。それこそ、勝手にパソコンを贈られたら怒りそうな人たちが顧客だと思うのだけど。マイクロソフトは嫌いだからオフィスは使わないとか、そもそもWINDOWSいらないとか、インテル嫌いだからAMD積みたいとか、ゲームやるからグラボは最低これ以上にしろとか。面倒くさいユーザーだな。

 

はたしてこのメールは効果があるのだろうか。そう思ったんだけど、そもそもこのメールが来るのはDELLのオンラインショップにユーザー登録していた人だけなのだ。メールを受け取ったお父さんが奥さんに見せて「これ安いし、買いたいんだけど」と自己申告するのではないか。解決。そうか。あなたは家族からパソコンをプレゼントしてもらえる幸せな方ですね、という自尊心を満足させてくれる宣伝メールなのだ。勉強になる。DELLもまさか「おまえに決裁権はないから妻に許しを請え」とはいえない。そこまで見越しての、お父さんにパソコンを贈ろうというメールなのか。納得。

 

買わない。もうDELLからは買わない。面倒くさいユーザーだな。

 

 

 

油淋鶏(ユーリンチー)を作る。鶏の甘酢あんかけですね。このレシピだと餡はないけど。片栗粉で揚げましたらサクサクして美味しい。油の処理が面倒だから揚げ物はあまりやらないけど、フライパンでも大丈夫なんですね。調味料に酢が少し入っていて酸味が食欲をそそります。サクサクなのは嬉しいけど、うまく切れないのが悩み。包丁が悪いのかな。また挑戦せねば。ともあれ、太る。これは太る。明日も作る。油淋鶏ブームが来ている。

 

 

 

▼仕事を請けている会社へ。変な男がいると隣席のTさんから相談を受ける。その男は仕事を委託している先の人間で、たまにこの会社に来て、6時ぐらいに会社を出る。Tさんが会社を出たとき、男が前を歩いていたのでなんとなく後を付いていったという。男は駅には向かわず、なぜか遠回りする道を通る。たまに通りの家を眺めて立ち止まることもあるが、何をするでもなく結局そのまま駅に向かったのだという。不思議といえば不思議な行動。だが、考え事でもしていたのではないかと思う。

 

しかし、その日だけではない。別の日、また男が前を歩いていたので後ろを付いていくと前とは別の道を通る。男が通るのは住宅街で、たまに立ち止まり家を眺めているようなのだ。そしてすぐにまた歩き出して、結局どこにも寄らずに駅に行く。そんなことが3、4回あったらしい。たしかに男は挙動不審かもしれないが、いちいち尾行する方も不審者である。

 

Tさんも最初は彼が考え事などをして遠回りしているのだと思っていたが、空き巣か下着泥棒の下見でもしているのではないかと疑うようになったという。

 

話は逸れるが下着泥棒は不思議。ニュースでたまに見るが押収した下着が何百枚、何千枚と並んでいる写真がある。もはや中の人にはまったく興味がないのだろうか。以前、知り合いで饅頭は好きだけど中の餡子は嫌いという人がいた。彼は饅頭を食べたとき、きれいに餡子だけ残して皮だけを食べた。残された黒い餡子の塊は異様に見えた。わたしにとって饅頭の本質は餡子だったけど、彼にとっては餡子をくるむ皮なのだ。

 

下着泥棒は餡子嫌いと同じで、中には興味がないのだからどうでもいいのだ。外側が美味ければいいのだ。納得。今日は立て続けに納得する日である。

 

で、ひょっとしてお気づきかもしれませんが、この毎回ルートを変えて帰る人間はわたしなのだ。住宅街で立ち止まるというのは、家から漂ってくる晩御飯の匂いをかいで「今日は鰻だな。フヒヒヒヒ」と、嗅いで嬉しくなっているだけなのである。べつに自分が鰻を食べられるわけでもないのだが。よくよく考えるとちょっと気持ち悪い趣味。そのために遠回りまでするか、普通。Tさんには「考え事をしていただけ」とごまかしたが、まだ疑われている。だが、いい歳してこんなことをしていると告白するのも何か恥ずかしい。ここはやはり下着泥棒をするために家を物色していたという方がノーマルなのではないか。よし、それでいこう。

 

 

 

ゲームの感想のブログを作りました。今後、ゲームのことはそちらで書いていこうと思います。