玉川上水日記

このブログの内容はすべてフィクションです

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許す

▼月刊GG

 

シルバー世代向けの雑誌が創刊。GG(ジジ)とは「ジジイ」を自虐的に掛けているのかな。表紙はどういうイメージなのだろう。こういう歳になってもあわよくば若い女と、などと考えるのだろうか。性に対する執着がありすぎて怖い。いいかげん落ち着けと思う。それとも、わたしの見方が歪んでいるだけで、若い女に道を教えている、年長者としてのアドバイスをしているというイメージなのかなあ。見る側にとってどちらの意味にもとれる。わたしは断然歪んでいるほうをとる。これは「あわよくば」と考えていますよ。

 

でも、こういうすてきなおじい様みたいなのを目指す人もいるのだろうなあ。わたしは小学生と広場の取り合いになってゲートボールのクラブを振りかざして追い回すような狂気のジジイでありたい。通報されても、ボケたフリで通す予定。ジジイは何をやってもいいのだ。棺桶に片足突っ込んでる奴は強い。

 

 

 

▼伊集院光さんのラジオで、ミュージシャンのかまやつひろしさんの訃報を知った。伊集院さんが語るかまやつさんの逸話が良かった。伊集院さんの後にかまやつさんがラジオをやっていたことがあり、エンディングで伊集院さんがかまやつさんの曲を挙げて「それを好きなんです」といったら違う人の曲だったという。かまやつさんは、番組のオープニングで笑いながら否定するのだけど、そのあとに「得したね」といったという。

 

人によっては間違えられてムッとするだろうけど、いかにもかまやつさんらしい優しさが伝わる話だった。ネット上では、些細な事で烈火のごとく怒る人を目にすることがある。だけど、些細な事を追及するよりも許し方をおぼえていきたい。ずっと他人を許せずに怒っているということは、その人のせいで怒り続けているわけだから不快な時間がもったいない。自分のためにもさっさと許した方がいい。というようなことを内田百閒もエッセイの中で書いていた。かまやつさんのようにいつも穏やかに笑っているのが、一番かっこいい。

 

それはそれとして、わたしはこれからゲートボールのクラブを振りかざしGGの悪口を書きに行く。狂気のジジイでありたい。