玉川上水日記

このブログの内容はすべてフィクションです

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馬子にも衣装

▼HACドラッグのアレ

HACドラッグという薬局の横に謎のおじさんの像が立っている。前から気になっていたが、あれはなんなのだ。創業者なのかマスコットなのか。創業者だとすると、いまだに個人崇拝をさせているのかなあ。かえって微笑ましい気さえする。わたしも遅ればせながら崇拝したい。像の足元部分を見ると「マイクマン」とある。マスコットなのかもしれない。なぜマイクを持っているのだろう。

 

マイクマンと検索すると、上の画像一件しか出てこないことに驚く。いまどきインターネットに情報がないって、かなりすごいことではないか。HACドラッグの公式サイトを見てもマイクマンについては一切触れられていないのだ。マスコットなのにそんな扱いってあるのだろうか。それともマイクマンは創業者だったものの、社内で下剋上があって社を追い出されてしまったとか。もはや、社内ではマイクマンについて語ることは禁じられ、サイトからも存在が消されてしまったという。知らんけど。

 

これほどどうでもいい話もなかなかない。

 

 

 

▼40代であるからして、ちょっと落ち着いた格好をしたほうがいいのかな。30代はとりあえずジャケットだけ着て誤魔化してきた。もうちょっと服装や持ち物にこだわってもいいのかもしれない。でも何かうしろめたさがあるのだ。たとえば、ブランド物の財布を持っているのに肝心の中身が千円札一枚ではどうしようもない。自分というペラペラの人間が外見だけ飾り立てて意味があるのか。そういうことを考えると、どうもおしゃれする気にもならないのだった。

 

打ち合わせに行くと、一緒に仕事を請けているN氏が靴を見せてきた。

「どうこれ。長友(サッカー選手)が履いてるのと同じやつ」

ジミーチュウというブランドらしい。見たかんじは、ちょっとおしゃれなドリ靴のような。ドリ靴とは、ドリフがコントのときに履いていた白い靴で、流通センターで500円ぐらいで売っていた。いかりや長介が志村けんの頭をよくこれでたたいていた。

 

 

値段を聞いたら8万円ぐらいするというからのけぞった。は、はち、はちまんえん‥‥。靴の中敷きが万札でできてるんじゃないか。よくまあ買いましたね。わたしなんてABCマートの6000円ぐらいの靴なのに。そこらへんの大学生に負ける。下手したら中学生に負ける。うーむ、8万ねえ‥‥、ドリ靴が160足買える。志村の頭をたたき放題。