玉川上水日記

このブログの内容はすべてフィクションです

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包容力

▼葬儀屋のセレモアつくばの前を通る。ショーウインドーには「セール中」という文字が出ていた。骨壺20%オフなどと書いてある。こういうのってセールで売れるものなのか。「うちのおばあちゃん、そろそろヤバいからセールだし買っとくか」ってなる? 天罰がくだる。

 

 

 

▼隣席のTさん、女子大生バイト後輩ちゃんとお昼を食べる。男と食べると仕事の打ち合わせの延長になることが多いが、そんなことにまったくならない。

 

どういった男がモテるかという話を聞く。やはり包容力が重要らしい。肩に手を回して「俺がついているから大丈夫」というのがいいらしい。二人でうなづきあっていた。それはちょっとおかしいように思う。だってすでに肩に手を回せるような関係性ができあがっているわけで、その時点ではもうモテている。その段階にどうやって到達するかが問題ではないか。

 

バカをいいなさいと思う。こっちは肩に手を回したところで即ポリスを呼ばれるわ。舐めるんじゃないよ。二人ともキャーキャーいって喜んでいるので「さては、おまえたち、バカだな」といったところ散々怒られる。仕事ではみせたことのないチームワークで結託して攻めてくるのはやめろ。

 

「ごめんなさい、ごめんなさい。バカは僕のほうです」といわされる。四十歳だぞ、わたしは。

 

ご飯の帰り道、路上で演奏している人たちがいた。二人ともピアノをやっていたとかで、すぐにシューベルトの軍隊行進曲と曲名が出てきた。

 

 

そうか。オリジナルはそっちか。わたしはファミコンの「チャレンジャー」の一面の曲だと思っていたからな。それはモテない。肩に手を回しながら「チャレンジャーの一面のやつ」といえれば違う人生だったのだろう。

 

 

 

▼散歩中、白猫にじゃれられる。なぜだか白猫というのはメスのような気がするのだけど。そんなこともないか。わたしのズボンに熱心におでこをこすりつけている。不意に「あ、違った。こいつじゃない」と思ったのか、興味を失ったように去っていった。さみし。

 

 

 

▼「ここに車駐車したら埋めます」は実際に見たことあるけど、これはなかなかの狂気を感じる。