玉川上水日記

このブログの内容はすべてフィクションです

このブログの内容はすべてフィクションです

ジャムおじさん

▼先日、家具の搬入を手伝ったお礼で甘夏のようなものをもらった。果物について詳しくないので、これが何かはわからない。隣席のTさんに「マーマレードの果物をもらった」といったら変な顔をしていた。知らんのか、マーマレード。まったくもう最近の若者は。などと思い、マーマレードを検索してみたら、マーマレードとは柑橘類を加工した食品(ジャムなど)のことだった。わたしはオレンジとかミカンとか、そういう並びでマーマレードの実があるのだと勘違いしていた。Tさんには堂々と「マーマレードをジャムにする」と宣言していた。ジャムをジャムにしてどうするんだ。バカというやつはすぐに宣言するから駄目だ。

 

ちょっと前に手作りのユズのジャムを頂いて、これがとても美味しかった。いい機会だからジャム作りに挑戦したい。ジャムおじさんである。ジャムおじさんといいたくてジャムを作る。そういう動機でもいいではないか。

 

レシピはこちらのものを使いました。手間がかかるが手順は簡単。甘夏の皮を細く刻み、圧力鍋にかける。圧力が抜けたら30分ほど皮を水にさらす。その間に果肉と薄皮を剥がして種を取り除く。皮と果肉を合計した重さの65%の砂糖を入れて混ぜ、そのあと焦げないように火にかけて水分が抜けるまで煮詰める。しかし、砂糖の量がちょっと引くほど多いんだよなあ。市販のジャムもものすごい量が入っているのでしょう。冷めたら瓶などに移す。

 

皮を切る作業と、果肉を出す作業がかなり面倒なのだ。皮はミキサーなどで細かくできるのだろうか。量産するには手作業はつらいところ。最終工程では皮と果肉が焦げないよう、ひたすら鍋をかき混ぜ続ける。40分ぐらい混ぜただろうか。このとき「ヒーッヒッヒ!」と笑いながらやると、魔女っぽくてたいへんいいと思います。そばに黒猫などいたらもう最高である。

 

出来上がったジャムは市販のものよりも苦味があって、その苦味とまろやかな甘味がとてもいい。皮の触感もちょうどいい具合。今までは何も考えずにジャムをパンに塗りたくって食べてましたが、自分で作ると大事に大事に使いますね。やはりどんなものも消費するだけでは駄目で、作る側にまわることで本当の価値がわかるように思う。作る人というのは、使う人の何十倍も考えて作っている。

 

またしばらくしたらジャムおじさんになりたい。ちょっと珍しいジャムを作りたい。甘夏のジャムはヨーグルトに入れてみても美味しいし、お湯に溶かして飲んでもいいそうです。