玉川上水日記

このブログの内容はすべてフィクションです

このブログの内容はすべてフィクションです

なぜハーバード・ビジネス・スクールでは営業を教えないのか?(フィリップ・デルヴス・ブロートン著)

▼仕事を頂いている会社へ。病気で入院していたFさんが退院とのこと。職場復帰の挨拶をしていた。「入院を機にダイエットさせていただきまして、入院時より10キロほど痩せさせていただきました」

 

させていただきすぎではないか。気になる。こういうことを指摘すると年寄りじみているようで嫌になるけど、それでも気になってしかたない。ああ嫌だ。「させていただきます」に罰金を取りたい。というようなことをブログに書かせていただきます。

 

 

 

なぜハーバード・ビジネス・スクールでは営業を教えないのか?(フィリップ・デルヴス・ブロートン著)

営業には営業の、経理には経理の、技術には技術の、というように部署それぞれの考え方、価値観がある。部署ごとの衝突というのはしばしば起こり、その都度相手を理解しようと努めているがそれでもわからないところがある。一番いい方法は、その部署の仕事をやってみることだけど、なかなかそうもいかないんですよね。営業という人種を理解できるのではないかと手に取った。

 

この本は、各業界で働くトップのセールスマン(女性も含む)を取材している。顧客にいかに喜んでもらうかを生き甲斐にする人、顧客をだましてでも商品を売りつけようとする人、さまざまだ。どの考え方が正しいということもない。これが唯一の正解というやり方が存在しないことは、読んでいくうちにしだいにわかってくる。ただ、優れたセールスマンに共通していることは、楽観的で打たれ強いこと。そして勤勉であること。

 

ちょっと面白かったのは、主人公が営業に関してかなり否定的な疑問を持っていることです。「つまらない物を顧客に売りつけて良心の呵責はないか」とか「どうやって良心の呵責と向き合っているのか」とか。営業の人にはあまり聞けないような、でも商売をやるには一度は考えたことがある根源的な疑問に向き合っているのもいい。

 

著者は営業を広く定義している。誰かにプロポーズをすることも、子供が親におもちゃを買ってもらう交渉をすることも、教祖が信者を増やそうと説教することも営業である。わたしたちは誰しも営業をしていることになる。とすると、営業は他人事ではなくわたしたち自身の問題となってくる。営業職以外の人間が読んでも十分ためになります。

 

この本を一読しても魔法のように営業成績がメキメキ上がるということはない。心構えを説いている。そんなもの実際に物を売るときの役に立たないといえば、たしかにそうかもしれない。ただ、「営業とはなんだろう」という疑問には答えてくれる本になっている。営業職に就きたいけど恐れている人、営業の仕事に疑問を感じている人には大いに参考になる本ですし、営業への尊敬も芽生えると思います。お薦めです。

 

原題「The Art of the Sale」(営業の技法)のほうがいい題名に思える。「なぜ本も映画も変な邦題にしてしまうのか?」という本を書きたい。

 

 

 

▼今日のホットサンド、今日のペルソナ3FES

両方なし。

 

なしなら書かなくてよいのでは?ということに今頃気づく。人は成長する。