玉川上水日記

このブログの内容はすべてフィクションです

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▼雨。しばらく本を読んでなかったので連休は読書。昔、学校の先生に「本を一日二冊ぐらい読んでないと使い物にならないぞ」といわれたことがある。その言葉が今でも心の片隅に引っかかっていて、本を読んでない日が続くと心細く思う。一日二冊読めるような本て、そう難しい本ではないというのはある。でも、本の難しさはさておき、やはりある程度の数は読んでおいたほうがいいのだろう。

 

言葉には力がある。先生の言葉を重石(おもし)のようにとらえていれば言葉が呪いになり、前向きに「もっと物を知ることができる」ととらえれば祝福になるのだろうか。「呪」と「祝」の字が似ているというのは偶然ではなくて、本来同じものを解釈で変えられることを示しているようにも思える。古代中国を描いた宮城谷昌光の本でも、吉凶を読みとく占い師が解釈によって凶を吉に転ずる場面がある。

 

それはそれとして、一日二冊読んできたわけではないけど、まったく使い物にならないままきてしまった。大丈夫でしょうか。大丈夫でしょうか。大丈夫でしょうか。誰か、大丈夫といってほしい。お小遣いあげるから。

 

 

▼雨。買い物へ。エレベーターに乗ると、たまに会う小学校低学年ぐらいの女の子がいた。「これ、新しい浴衣(ゆかた)なの」と両手を広げてみせてくる。きれいな空色のカッパだった。カッパと浴衣を間違えたまま「新しい浴衣、おばあちゃんが買ってくれた」などと嬉しそうにいっていた。

 

降りるとき恥ずかしそうに「あ、浴衣のことカッパだと思って、ずっとカッパっていってたー」といいながら降りていった。

 

最後まで逆だけど大丈夫か。