玉川上水日記

このブログの内容はすべてフィクションです

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西洋洗濯

▼会長が所属する句会の年間予定表を作る。作業自体は5分で済んだ。昔話を拝聴。俳句を詠む老人というと優雅で穏やかなのかと思いきや、とんでもない。総じてみな短気。どうしようもない物件ばかりである。事故物件しかない。楽し。

 

句会のメンバーである山さんと呼ばれる80歳ぐらいのおじいさんはクリーニング屋に勤めていた。クリーニングは昔、「西洋洗濯」と呼ばれていたというのを立川談志の本で読んだ。山さんの働いていた時代も西洋洗濯といったのだろうか。たずねたところ「なにそれ?」といわれる。これは談志が間違っているのか、山さんがおかしいのか。どちらもおかしい説もあります。

 

山さんは若い頃、クリーニング屋で修行していた。山さんにはマチコ(仮名)という同棲相手がおり、いつか二人でクリーニング屋を開くため、開業資金を貯めていた。ある晩、家に帰ったらマチコさんがいない。買い物にでも出ているのだろうと思っていたがいくら待っても帰ってこない。嫌な予感がした山さんは、屋根裏に隠してある開業資金を入れた箱を取り出してみると、箱の中身がない。現在の金額で一千万ぐらいという。マチコさんが持ち逃げしたのだ。

 

怒り狂った山さんは包丁を持って朝まで探し回ったものの、ついにマチコさんは見つからなかったという。包丁を持ってって、怖すぎるわ。それ以来、山さんは美人をいっさい信用しなくなったのだという。マチコさんは近所でも評判のたいそうきれいな人だったらしい。山さんはやがて気立てのよい奥さんと結婚し、子供が生まれる。子供には毎日、「美人のお腹の中には(寄生虫の)サナダムシがいるぞ。虫が栄養をとっちまう。だからあいつらは痩せてるんだ。腹の中にはウネウネした虫がいるんだ。近づくなよ」と教え込んだという。なにその斬新な英才教育。トラウマになりそう。

 

山さんの歪んだ教育が効いたのか、お子さんもお孫さんも、気立てのよい人と結婚できたのだという。めでたしめでたし‥‥、なのか?

 

という話を喫茶店で聞いた。隣のテーブルを拭いていたきれいな店員に、山さんは「お姉さん、大学生?そうなのお?アルバイト?」などと親しげに話しかけていた。「ちょうどマチコがあんな感じだったんだよ。それにしても、ありゃあ、いい女だったなあ」などといっている。こりてない。あと2,3回はだまされそうである。美人のお腹にはサナダムシがいるという話をしてあげたほうがいいかもしれない。

 

 

 

▼Magic Duels

やってもやっても勝てない時期に突入。なぜかしら。なぜでしょう。ユーザー同士の対戦に勝つと上がるランキングがある。最高が40で最低が0。ほいほい勝ち続けて37まで行ったものの、そこから転落して今や20ぐらいである。いろんなデッキを使うからいけないのかな。

 

緑白青の三色デッキをやめて、前に使っていた緑白の二色デッキを使ってみると不思議と勝てる。なぜ弱いデッキのほうが勝てるのかしら。何が正解かわからない。カードゲームというのはデッキに傾向があって、それぞれに勝ちパターンがある。相手の手札をなくしたり、早いターンで大量にクリーチャーを展開したり、魔法で相手を押し戻したり除去したりなどなど。もっとも多いタイプのデッキに対抗した形で自分のデッキを作るのがいいと思っていたのだけど、そうではないのかもしれない。

 

自分の所持カードをみて、勝ちパターンを探すほうがいいのかな。迷う。迷うのが楽しい。わざわざ迷いたくてゲームをやっているのだろう。