玉川上水日記

このブログの内容はすべてフィクションです

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簾(すだれ)を買いに

▼今日こそは夏休みらしくだらだらとした日記を書きたい。ではいつも書いているのは何か。謎。

 

部屋が暑いので日除けに簾を買うことにした。いつも行く近所のホームセンターではなく、散歩がてらぶらぶら歩いて適当なところで買おう。新規開拓の精神よ。日射しが強い。オレンジ色の綺麗な蝶が舞っている。ベニシジミだろうか。実にのんびりしてよい心持ち。

 

簾(すだれ)と葦簀(よしず)の違いがわからず検索した。簾は軒などに吊るして使い、材質は葦(あし)。葦簀は立てかけて使い、材質は細く割った竹。「垂らす」ほうを「すだれ」と憶えると暗記しやすい。暗記したいとすればだが。なんにでも違いはある。また一つ、違いのわかる男になってしまった。ただし、パンケーキとホットケーキの違いがよくわからない。おしゃれなOLが食べたらパンケーキ、わたしが食べたらホットケーキ、つまりそういうことではないか。人は年に三回まで、暴力を振るってよいと聞く。今がそのときか。

 

散歩がてらに出掛けたがとにかく人がいないのね。この暑さだから仕方のないところ。歩くと、始終頭の中で一人で会話をしている。自転車だと、ある程度スピードが出るせいか情報処理が忙しくなってしまい難しい。処理能力に余裕がある人ならば、自転車に乗っていても物が考えられるのだろう。とんでもなく頭がよければF1に乗っていても考えられるかもしれない。頭にはそれぐらい差があるように思う。プロレスラーと一般人の体は一目で違いがわかる。頭はどれだけ鍛えているかというのは、外側からだと窺い知れない。でも、実際は相当な差があるのだろう。

 

携帯も持たず、財布にいくら入っているか確かめもせず出てきてしまった。30分ほど歩いたが迷子になり挙動不審に。子供が迷った場合、「迷子」でいいが、おっさんが迷った場合どうなるのか。「迷い人」か。いや、そんなかっこいいものではない。「変質者」である。通報が怖い。

 

新しい店を見つけるのだ、意気揚々と家を出たものの、暑いわ、足が痛いわ、どこだかわからんわでタクシーに乗りたい。根性がない。しかし、それは自分の決めたルールに反する。とにかく大通りへ出なければ。大通りへ出ればホームセンターがあるはず。なくても、最悪タクシーがあるはず。結局、乗るのか。

 

炎天下、歩き続けて40分。ついにホームセンターを発見したときは歓喜の声が漏れたのです。さっきまでタクシー使ってズルしようと思ってたけど。とにかく目的の簾も手に入れた。近所のホームセンターで、何も考えずにお手軽に買う簾とは価値が違うのである。わはははは。

 

しかし、簾というのは持ちにくい。帰り道は汗でずるずる滑る簾を持ちながらの苦行。近所のホームセンターを通りかかると「すだれ、半額!」の文字があり愕然とする。人は年に三回まで暴力を振るってよいと聞きますが、今がその二回目か。

 

ようやく帰宅。さっそく取り付けるも、なかなかうまくいかない。カーテンレールを利用すれば、壁に穴を開けたりフックを貼りつけたりせずに済むのですね。いろいろやった後に気づいた。なんとか使えるようになった。涼しくはないが、部屋が暗くなってしまった。こんなはずではない。きっとこれから涼しくなるはず。涼しいと思い込む。涼しい、涼しい、涼しい、心のうちで三度唱える。まだ戦いは始まったばかりだ。

 

 

▼休みなので映画を借りすぎた。明後日まで4本、観なければ。観なければと思うとノルマのようで途端に面倒になる。

 

ハリウッド映画では映画会社によって喫煙場面を映さないところがある。若者への影響を考慮してということだけど。しかし、あれだけ銃で人が死ぬところを映しておいて、喫煙は駄目というのが不思議。アメリカ人はいったい何を考えているのだろう。