玉川上水日記

このブログの内容はすべてフィクションです

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会わなくても

ゴールデンウィークは何年かぶりに懐かしい友人たちと会った。べつに会わなくてもいいかと逃げていたら、わたしの予定に合わせるからと言われてしまい、逃げられなくなってしまった。今回のことでふと思ったが、わたしはやっぱりひどい人間なのではないかしら。

正直なことを言えば、もうだいぶ前から友人たちと趣味や興味がすれ違っていて、だったらべつに幼馴染だからといって会わなくていいのではないかと思っていた。お互いが元気でやっていれば、それはそれでいいんじゃないかという。幼馴染全員と会わないわけじゃなくて、友人Nとは関係が継続していて、彼とはひと月に何回か話している。話しすぎかもしれない。

久しぶりにみんなと会って、1時間もすると学生時代の感覚に戻る。ああこうやってダラダラ話していたなと当時が懐かしくなった。だけど、当時のようにはいかないのだと思う。もうみんな考えている方向がかなり違ってきている。それについて残念に思ったところもあったけど、その違いというのは成長分なのだろう。ずっと学生時代と同じようにピッタリ合うのであれば、それこそ何も成長していないということにならないか。もっとそこは肯定的に捉えていいと思う。

川をカヌーで下るようなもので、たまたま同じ流れに乗ったら仲良く下ればよいし、支流に興味があって「ちょっとあっちに行ってみる」となれば、それもまた気ままでよい。今付き合いがある人たちと付き合っていければいい。そう考えると、やはりもう会わなくていいんじゃないかしらと思うのだけど。そんなことを隣席のTさんに言ってみれば「将来、絶対孤独死するタイプですよ」と言われた。やめろ、そういう呪いをかけるようなことを。

あと、カヌーには乗ったことがない。これからもやったことのないカヌーたとえを自信満々で出していく。十勝川の激しい流れを乗りこなした後の心地良い疲労感、などと書いていく。