玉川上水日記

このブログの内容はすべてフィクションです

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友人K

▼映画を観ていて、自分好みの作品に出会うことはなかなか難しいものです。10本に1本でも好みの作品があれば、まずまずついているほうだと思う。そんな中、不思議なことだけど立て続けに好みの映画を引き当てる時期がある。今がまさにそれで「エリート・スクワッド」「映画は映画だ」など、好みのものが続いている。

しかし、この「立て続けに好みの映画を引き当てることが続く」を短く説明する日本語はないだろうか。人に説明するとき、すこぶる面倒臭い。わたしはこれを立映(タテエイ)現象と名付けた。友人Kと会ったとき、さりげなく「今、タテエイ現象が起きている」と使ったが、何の反応もなかった。タテエイ現象で意味が通じたかといえば、そうとも思えない。これはどういうことか。話に興味がないのか、かわいそうな奴だから温かく見守ってやろうということかも。だが待てよ、そもそも、まったくわたしの話を聞いていないということがある。友人Kにはそういうところがある。

学生時代の自己紹介で、自分の特技を「人の話をまったく聞いてないこと」と言っていた。これを欠点ではなく特技と発表するところに、何か異様なものを感じた。こういう人がサイコパスになるのだろうか。今のところまだ誰も殺してないようである。たぶん。



▼友人Kは趣味で音楽を作っている。それをネット上で発表しているようだ。ネットを通じて知り合った音楽仲間と、先日実際に会ったという。でも、その人はちょっと変わっていて、目の前にいてもまったく話さない。LINEを通してしか、コミュニケーションがとれないらしい。会っている間は二人してスマホをいじっていて、ついにその彼は一言も口をきかないままだったという。

友人Kはその様子をからかうでもなく、淡々と語っていた。こういうところがKの人柄の良さだ。普通の人は面と向かってからかいはしなくても、陰で何か言うことはありそうなのに。こういう品の良さとか、優しさを持っていたいもの。たとえサイコパスだとしても。


アメリカ大統領選挙のニュースをよく目にする。民主党ヒラリー・クリントン共和党ドナルド・ドランプの一騎打ちになるのだろう。サンダース上院議員が選ばれれば面白いが難しいだろう。

ちょっと意外だったのは、トランプ氏のようにある特定の宗教や人種に対し差別的発言をする人が多くの支持を集めたことだった。アメリカは建前上、差別を憎んできたはずだった。それは建前や見栄ではあるが、その姿勢は正しかった。内心どんな強い差別感情を持っていてもかまわないし、仕方ない。だが、内心はどうあれ、それを表に出さない見栄こそが大事だった。

堂々とトランプ氏を支持する人の多さが恐ろしい。それほど余裕がないのだといえばそうなのだろうけど。アメリカが自慢にしていたアメリカらしさなど、国民にとってどうでもよくなっているのだろうか。

どうして急に真面目なこと書きだしたのだろう。不思議。
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