▼花粉症の症状が出始める。今年は例年よりも飛散量が多いらしい。この時期のわたしはポンコツになり使い物にならない。花粉症の薬を飲めば頭がボーっとし、飲まなければやはりボーっとする。始終ボーっとしている。そもそも一年をとおしてボーっとしている。年間で使い物にならないということかしら。気づきたくなかった。
▼仕事を請けている会社へ。「あなたらしさを応援したい」という力強い赤字で書かれたキャッチコピーの資料が目に入った。手に取ってみると求職者用の資料らしい。「あなたらしさ」ってなんだろう。わたしが「あなたらしさ」を応援されたら、仕事中に寝るだろう。いいのか本当に。本当に寝るぞ。それでも応援すると言う気か。
仕事にあなたらしさなんているのだろうか。責任感があって、遅刻せず、約束を守る。周りと上辺だけでいいからうまくやっていく。あとは法律に触れなければいい。その程度で十分だし、それだってけっこう難しい。芸能、スポーツなどをのぞけば、なるべく、あなたらしさを抑え込むほうが重要に思える。
「あなたらしさを応援したい」の「応援したい」は誰が応援したいのだろう。会社の前の定食屋のおばちゃんか。よくわからない。会社が「応援したい」なら「応援します」と書けばいい。応援したいのに現状そうもいかないのかな。
給湯室で部長と雑談したとき「キャッチコピーどう思う？」と訊かれたので、そんなようなことを答えた。他にも「従業員が本音で語り合える会社」という案もあったと聞く。バカを言え。そんなことしたら戦争にしかならない。一つ本音を言うのなら、キャッチコピーなんか考えている場合か、である。
てっきり外部に発注したと思ったので、言いたいことを言ってしまった。内部から募ったそうである。なんだか悪いことをした。わたしは、後輩ちゃんの案である「駅から五分、社会保険完備」がいいと思った。ハローワークの求人票に書かれてそう。
