玉川上水日記

このブログの内容はすべてフィクションです

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健康診断

▼寒かったり、暖かかったり、また寒かったり。で、結局寒い。たまには心温まる話でも。

健康診断だった。待ち時間が長い。待っている間、おばちゃんがやってきた。癌にならないためには一日にこれだけの野菜を食べなければならないなどと、野菜の模型で丁寧に説明してくれる。けっこうな量だった。手間もかかるし、そんなに野菜を使った料理ばかり作るわけにもいかない。一日に二回外食する人だと絶対に無理だろう。適当に相槌を打ち、パンフレットを渡されて、わたしの番は終わった。

次に、おばちゃんはわたしの隣にいた三十代半ばに見える男性に説明を始めた。わたしに説明していたのだから、隣でも十分聞こえていただろうけど。一応、一人一人に説明する仕事なのだろう。なぜかその男の人はおばちゃんに対し反発しており、いちいち逆のことを言うのだった。おばちゃんがちょっと押しつけがましい感じがするからだろうか。

「野菜、ふだんこれぐらい摂ってます?」
「いや、こんなには摂れないですね」
「駄目よ~。若いからって」
「でも、実際こんな量摂るの無理ですよね」
「そうだけど。でも病気になってからじゃいろいろ大変ですし」
「お金もかかりますよね。肉より野菜のほうが高いわけだから」
「でも、健康のためだから。なるべく肉より野菜多めでね」
「いや、僕は野菜より肉が好きなんで肉を食べようと思います」
「肉もいいけど、野菜も摂ってください。塩分を控えめにしてドレッシングを減らすといいのよ」
「わざわざまずい野菜を食べるのももったいないんで、ドレッシングをじゃぶじゃぶかけて食べます。早く死にたいんで」

そんな奴がなんで健康診断に来たんだよ、と思わないでもないが、ちょっとおばちゃんの押しつけがましさに反発したくなったのかもしれない。おばちゃんといえば「あ、そうですか。じゃあ、好きな物を好きなだけ食べれば」と、むくれだした。

どうしてくれるんだ、この妙な空気。みんな押し黙って、あらぬ方向を向いている。と、男は空気が悪くなったのを察したのか「でも、野菜食べないと駄目ですよね~。健康は本当に大事ですよね~」と、急におばちゃんの機嫌を取りだした。おまえ、さっき早死にしたいって言ってたけど。

おばちゃんは押し黙ったままであり、空気は重苦しいままだった。そんな心温まる話。



▼相変わらずゲームをやっている。スカイリムやボーダーランズ2をやっている。STEAMというアプリからダウンロード購入しているのだけど、セールの日ですと名作が500円とか1000円で買えてしまう。知っている人には今更何言ってるのという話ですが。とりあえず買って、やらないで積んでいるゲームもいくつかある。これはゲームセンターが廃れるのも当たり前だなあ。

そんでまだスカイリムの世界を適当にぶらぶらしている。スカイリムとは、中世ヨーロッパの世界観のファンタジー。ドラゴンやトロールが出て、剣と魔法のなんちゃらかんちゃらなのですが、前回も書きましたがやはりMODがすごい。

MODは公式、非公式ありますが追加のダウンロードコンテンツのことで、ユーザーが勝手に作ってしまうものもある。スカイリムは、物語が進んでいくと主人公に従者をつけることができる。当然、その従者を好きなように作り替えたり、18禁的なことをさせてしまうMODもある。それは当たり前に想像できる。桃色コンテンツこそが技術を発展させるのである。

ちょっと驚いたのは、主人公が従者に売春をさせて、そのあがりを収入にするMODまであるのだった。よくわからないことになっている。女衒(ぜげん)である。女衒リムになっている。ユーザーの想像力には驚くばかり。スカイリムはどこへ行こうとしているのか。
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