玉川上水日記

このブログの内容はすべてフィクションです

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白のタンクトップ、ヤクルトの人

▼以前勤めていた会社の会長と食事。80歳を超えてまだまだ元気。よく食べ、よく喋る。死ぬことを忘れているのではないか。心配になる。

テレビにタレントの武井壮さんが出ていた。いつもどおり白のタンクトップだったが、それを観た会長は「テレビに出るかっこうではない。あれは下着だろ?」と怒っていた。会長の世代だとテレビは公のもので、それなりのかっこうで出ろということらしい。

今のテレビは公ではあるものの、お茶の間の延長線上としても存在している。バラエティ番組とか。とするとタンクトップで出ていてもいいと思うけど。

「お金がなくて上着を買えないんじゃないですか」と言ったら、わたしの方にフォークを向けて「適当なこと言うな。そんなわけないだろう」と眼光が鋭い。怖い。まだ振り込め詐欺には引っかからないようである。

あとなぜか武井壮の名前を手帳にメモしていた。消す気でしょうか。



▼今年は野球をよく観ている。ヤクルトがホームの中継は、解説席にヤクルトのキャンペーンガールみたいな人がいる。去年辺りからいるのかなあ。モデルのようにきれいな人なのだ。コメントを求められることは少なく、ほとんどはアナウンサーと解説のやりとりを聞いている。

去年の人はまだ野球に興味があったのかもしれない。今年の人は、選手にしたインタビューなどが棒読みの上にたどたどしくてハラハラする。野球にも興味がないような。アナウンサーと解説だけでいい気もするのだけど。

ごくごくたまに発言することがある。6回ぐらいでヤクルトが負けていて「あと3ゲームなのでがんばってほしいですね」などと言っていた。聞き違いかと思ったが7回にも「あと2ゲームなので」と言っていた。回のことをゲームと勘違いしているようなのだ。

ふつう「ゲーム」とは「今日のゲーム(試合)はヤクルト対中日」とか、順位差をあらわすときに1ゲーム離れているなどと言う。絶対に回のことはゲームとは言わない。アナウンサーも解説もあまりに基本的な間違いなので、指摘するのもどうかと思ったのか何も言わない。ただただ黙っている。困っているのかな。妙な沈黙が支配している。大丈夫でしょうか。

彼女はスマホ用の野球結果がチェックできるアプリを紹介して「担当でない日も、目が離せないんです」などと言っていたが、どうも疑わしい。本人も野球好きのフリがつらいんじゃないのかなあ。仕事だから仕方ないが、ちょっとかわいそうな気もする。もっと野球が好きな人を採用すればいいのに。ヤクルトのキャンペーンガールなら、代打の切り札である八重樫そっくりの人とかどうだ。牛乳瓶メガネで太鼓腹、独特なかまえからホームランを打つ。コスプレしてほしい。

じゃあ、野球好きな人を採用したらどうなるか。江夏投手が日ハムにいた時代の話、セカンドには世界の盗塁王福本(阪急)がいた。江夏はセカンドへの牽制球が苦手だったため、福本に三塁盗塁のサインが出ていた。だが、福本と江夏は高校時代から仲が良かったため福本はベンチからのサインを無視して走らなかった。今では考えられないことだけど。頭にきた阪急の上田監督は「三塁へ走れ!」と大声で怒鳴ったと言う。

そんなエピソードをキャンペーンガールが嬉しそうに話し出したらどうだ。かなり気持ち悪いと思います。じゃあ、このままで。
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