玉川上水日記

このブログの内容はすべてフィクションです

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▼店員がぴったりとくっついてくる店が苦手だ。今回、靴を買った店も店員がついてくる。ただ、彼自身もうるさくされることが嫌いなのか、適度な距離感が良かった。しつこくされたりはしない。

皮のウォーキングシューズを一足買った。店員は、店から他の商品も薦めろと言われているのか、ごく控え目に薦めてくる。

「今日はビジネスシューズが50%オフなんですけど‥‥、いらないですよね?」

何も言わないのに断ったことになってしまった。そこは「ビジネスシューズが50%オフなんですけど、いかがですか?」でいいのではないか。そりゃ、薦められても買えないけども。さらに靴下も薦めてくれる。

「今日は靴下が3足500円なんですけど‥‥、いらないですよね?」と会話を終わらせてしまう。売りたくないのか。新しい薦め方である。

家に帰って靴に保革クリームを塗っていたら、左右のサイズが違うことに気づいた。左側が1.5cmほど小さい。試着したときに、動きやすさがどうとか、皮の感触がどうとか、偉そうなことを言ってしまった。左右の違いも気づかないのに何を偉そうなことを。

おまえなんて、裸足で歩いてればいいんでないのと思います。


▼いつもと違う電車に乗って出かけた。その路線では有名人なのかもしれないが、ラッパーのような人が乗ってきた。ヘッドフォンをして自作のラップをけっこうな大きさで叫んでいる。ちょっと面白かったが、サングラスをして全身黒ずくめなので笑うのも怖い。

で、そのラップが「ありがとうとごめんなさいを言えないやつは日本人じゃない」とか、言っていることは立派である。でも、電車の中で大声でラップはいいのかと思う。自分の見失い方がすさまじい。どっかにテレビカメラでもあるのではないかとキョロキョロしてしまう。

周りの人も、ちょっとクスクス笑ったり、面白物件を発見した感じでざわついていた。だが、彼が「俺と俺の兄弟をなめるやつは腹を裂く」と言ったときは車内がシーンとなりましたね。腹を裂くて。

あ、これは完全にアカン人やという空気になった。みんないっせいに見て見ないフリをしだした。わたしは途中で降りてしまったが、あれは京王線の名物なのだろうか。続きが聞きたかった。あまり変なことを書くと腹を裂かれそうで怖い。

わたしはあのラップいいと思うんですよ。魂が入っているというか、俺の最高の仲間がなんとかかんとか。隣のおじさんはものすごくバカにした笑いを浮かべてたので、その人の腹を裂いたらいいと思います。



▼「京王線 ラップ バカ」で検索しても何も引っかからない。有名というわけじゃないのかなあ。
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