玉川上水日記

このブログの内容はすべてフィクションです

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終わる

▼長年読んでいたブログが消滅してしまった。終わりというのは唐突に来ますね。前日まで更新されていたのに、次の日にはブログは削除されて過去ログも読めなくなってしまった。終わるという予告も気配もなかったのだけど。

リアルでの関係はまったくないから、突然消滅してしまうことは、小さな死のようなものである。潔いのだけど少し寂しくもある。


▼終わるといえば、14年間続いていたドラマ「TRICK」が完結した。今観ているドラマ「ウォーキング・デッド」も近々終わるのではないかと思う。シーズン5は、やや展開が早くて乱暴というか、作り手側のマンネリが感じられる。飽きちゃったのかなー。

評判が良いから長くなるのだけれど、長くなったらなったで、脂がのっている時期と惰性で飛んでいる時期が出てくる。どこで幕を引くかが難しい。時流に乗ってうまくいく時期もあるのだけど、やがてマンネリ化するのは避けられない。

ドラマは監督や脚本家という個人の才能に拠るところが大きいから、その個人がマンネリ化したときに作品ももろに影響を受ける。大企業がしばしばトップを社内ではなく社外から連れてくるのは、マンネリ化を防ぐ新しい血を求めているからなのだろう。新陳代謝を活性化することで生き延びていくという。

新しく引き抜いてきたトップがこけても、長期的にはそれでかまわないのだと思う。短期的な失敗よりも、新しい手法を取り込むことが結果として組織を生き延びさせることになる。集団は絶えず個人を入れ替え続ければよいが、個人が古くなるのを防ぐにはどうすればよいのだろう。

もうわたしの頭はだいぶ古くなっている。本を読んだり話を聞いたりすれば効果はあるだろうが、根本的な解決法はないのだろう。個体では進化のスピードに耐えることはできない。作品や組織を一度解体して新しい状況に対応するように、次の世代に託すしかない。だからわたしたちは死ぬのだろう。

こわー! 死ぬとか言い出した、この人。怖いのでチョコパイ食べて寝よ。はよ寝よ。


▼じゃあ、心温まる話を。友人Fがまた整形するらしい。脱毛したり、二重にしたり、大忙しである。美魔女なのかな? 38歳のゴリゴリのおっさんである。不思議。

友人Fのためらいのなさがすばらしい。あのあくなきチャレンジ精神はどこからくるのか。つい、お金のこととか体にメスを入れる恐怖とか考えてしまうが、Fはどんどん行くのである。ためらいなくローンを組み、手術する。そして友人に金を借りて風俗へ行く。無茶な人生を送っている。

わたしなど、飼われているハムスターよりドラマのない人生を送ってますから、感心してしまう。行け行け、友人F。


▼ちょっと前のNHKクローズアップ現代」でカンパニー型の詐欺という特集をやっていた。やり口が鮮やかで、ちょっと感心してしまったほどである。誇張でもなんでもなく、わたしは騙されると思う。

不動産仲介会社を作り、売買手数料を狙った詐欺をはたらく。この会社というのが見せかけではなくて本当に機能している。というのも、会社の上層部以外は詐欺というのを知らず、従業員たちはまっとうな会社だと思って働いている。

まず営業社員が土地を持っていそうな人のところに行き、価値がほとんどない土地の売却を勧める。地主は自分の土地の価値を知っているから、そうやすやすと売れないのもわかっている。だけど「中国人の富裕層向け」と説明するのが巧妙なんですね。実際に中国人富裕層の日本への不動産投資は盛んですし。

そこで事務手続きの手数料として三十数万円を受け取って、土地の情報を販売サイトに載せる。土地なんてそう簡単に売れるものではないから、売れなくても仕方はない。詐欺だと怒って弁護士に依頼すれば、やはり三十万はかかってしまう。この金額設定が実にうまいところを突いている。そもそも詐欺かどうかを見抜けるかが難しい。

この会社に売却を依頼する前に、売主の一人が何の連絡もせずに会社を訪れたところ、きちんと営業していたという。これはもうまっとうな会社だと思っても仕方はない。末端の従業員は詐欺だと知らずに働いているのだから、ボロも出ないだろうし。敵ながらあっぱれというか。わたしも気をつけねばならない。売れる土地がない。
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