玉川上水日記

このブログの内容はすべてフィクションです

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猫はピザの夢を見る

▼N氏の家で打ち合わせ。ホームズという太った猫がいる。ホームズと丸一日一緒にいたが、一日二十時間ぐらい寝ているようだ。猫は、人生ならぬ猫生の5/6を寝て暮らしていることになる。とすると、起きている時間よりも、猫生の大部分を占める夢の時間のほうが重要ということだろうか。

ホームズは、宅配ピザのチラシの周りをウロウロしていた。そして、ピザのチラシの上で大きく伸びをした後、ごろんと横になった。「これからピザの夢を見る」と宣言しているようだった。うーん、あれはあれで良い人生の棒の振り方。わたしも次回は猫でお願いしたいもの。ピザーラのチラシがあれば十分です。


▼仕事を請けている会社の近くで昼食。お世話になっている会社の女子社員がやってきて相席することになる。女の人は複数集まると、パワーが増すように思う。なぜか。男も来ないだろうかと入口を見ていたが誰も来ない。心細し。

恋愛の話を聞く。なんだか前にもこういう状況があったなあ。この後、だいたいロクなことにならないというのが経験からわかる。わかっていながら回避できないことも経験からわかっている。すべてをあきらめる、これが人生のコツではないか。

女子社員の付き合っている男が浮気をしたという。その場にいた男はわたしだけだったからか、なぜ男は浮気するのか訊かれる。わたしに恋愛の話を訊くなんてどうかしてる。ふつう、チンパンジーシェイクスピアの感想を訊きますか? あなたたちがやっているのは、それです。

で、なぜ男が浮気をするか考えると、自分の遺伝子をあちらこちらに撒いたほうが繁殖の効率がいいからに違いない。でもですよ、その答えは彼女たちが求めた答えではないように思う。そもそもなぜ浮気をしたのかは、相手の男にしかわからない。それはみんなわかっている。本当は答えが知りたいのではなく、女対男という対立を作り上げ、この場にいる男に謝らせて溜飲を下げたいだけなのではないか。

理不尽なのは、わたしが男側の弁護を強いられることだ。わたしが浮気をしまくって、相手をとっかえひっかえならばわかる。わたしは浮気をしたことがない。言わば羊である。メェェェ。草しか食べてこない人生でした。だが、なぜか狼がやったことを「同じオスだから、おまえ謝罪せえよ」ということで羊が怒られている。羊と狼って、種類違うじゃんかあ!狼さん、謝って!

完全にイチャモンであり因縁。やり口がチンピラのそれと変わらぬ。女というのはすべてチンピラであり、狂暴なチンピラか、より狂暴なチンピラのどちらかしかいない。と思ったので「うーん、この状況はおかしい‥‥」と答えたら「は?何もおかしくないですよ」「答えになってないですけど」「なにそれ、誤魔化してるだけじゃない」「早く答えてください」とか、口々に言うのでわたしは猫になりたかった。早いところピザのチラシの上で寝転がってピザの夢を見るのです。
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