玉川上水日記

このブログの内容はすべてフィクションです

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年末年始

▼年末年始やお正月という感覚が喪失してしまった。ともあれ年が明けた。あけましておめでとうございます。

スーパーは正月初売りということで元旦から店を開けている。それもふだんより一時間も早い。いつもより余分に働いている。仕事のメールは来るし、年賀状は来ない。これ、完全に日常ではないか。季節を繰り返すものと捉えるより、一本の長い道と考えると去年の正月と現在の正月は同じものではない。一月一日が特別なら、なんでもない日(たとえば二月九日や三月十七日)なども同様に特別のはずではないか。

などと、正月のイベント化を否定してきたわたしだった。しかしですね、こうまで日常化を振りかざされるとイベントに戻りたくなる。初詣をして、年賀状を読み、福笑いをして、餅を喉につまらせ、こたつにみかんでゆっくりテレビ。これが日本の正しい正月じゃんかあ!「正しい月」と書いて正月なんだもの。仕事をしていいはずがない。と、仕事の発注者である部長にメールする。返事はまだない。


▼大晦日、友人夫婦の家にお邪魔。友人(夫)のご両親もおりご挨拶。友人夫婦の子ター坊(小学5年)とともに「ガキの使い 絶対に笑ってはいけない大脱獄24時」を観る。

時間は7時台だったが、松っちゃんが体を鍛えていることを揶揄して「芸人の中にAV男優が混じっている」という場面があった。一人で観ているときだったらいいのだけど、久しぶりにお茶の間が凍りつく思いを味わった。あのいたたまれなさはテロではないか。

ター坊はAV男優が何かはわかってないが、どうもあまりよくない言葉だと感じたようだった。あとで、そっとわたしの所に来て「AV男優って何やる人?」と訊く。くりくりした純粋な眼差しでそんなことを訊くなと言いたい。子供への性教育の難しさとか、あるのだろうなあ。

「ター坊のお父さんがやっている仕事だよ。あとで訊いてみるといいよ」と答えた。わたしの友人(ター坊父)は営業である。「営業」も「AV」も「え」から始まるし、似たようなものじゃないかしら。女優を喜ばせるのが男優、お客を喜ばせるのが営業。似ている!同じと言ってよい。なんで違うと思ってたんだろ。8時に友人夫婦の家を出る。


▼日付が変わった頃、友人から電話がありいろいろ怒られる。38歳なのに新年から怒られてよいのか。未年ということで、今年はぬくぬく生きていきたい。怒られずに生きていきたい。
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