玉川上水日記

このブログの内容はすべてフィクションです

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読書

▼トアルコトラジャというコーヒーを頂いた。ドリップオンでカップ一杯ずつ飲めるタイプのもの。美味しい物なので、ちょっとずつ飲む。ふだんはとてもまずいインスタントコーヒーを飲んでいる。お世話になっている会社の近くにある怪しげなスーパーの格安商品なのだ。

もう本当にまずくて、土をお湯で溶いたやつのほうが美味しいのではないか。というか、この商品、実は土なのではないか。土だろ。土にしてはうまいなあ!土、おいしー!

そうまでしてなんで飲む、という話ですけど。

物事は相対化して初めて価値がわかるように思う。トラジャも毎日飲んでいたら当たり前になってしまう。間に適度に土を挟むことによりトラジャの価値は増す。スイカに塩、サウナの後の水風呂、コタツでアイス、そんでトラジャに土の法則であるよ。

女子大生バイトのアタシちゃんがやってきた。彼女は今年最後の出勤らしい。
「一年間お世話になったので‥‥」と彼女がわたしにくれたのはインスタントコーヒー「土」であった。ああ、わたし、大嫌いなのに。もう買うのをやめようと思っていたのに。トラジャがないときは、土とネスカフェを交互に飲んでいたのだ。

「しゅんさん(わたしのこと)、このコーヒー好きなんですよね?」
「きらい」
「え。またまたー。いつも飲んでるくせに」
「きらいだから飲んでるの」
「ははは。ひねくれてる~」

信じてもらえなかった。本当に嫌いなのに。嫌いなものをあえて買う人間がいるということが信じられないのかもしれない。で、またしてもインスタントコーヒー土を飲む日々である。このまずさ、落ち着く。


NHKクローズアップ現代を観た。一ケ月の間に本を一冊も読まない人が50%弱という内容だった。そうか、読まないのか。いいんでないの別にと思う。最近あらゆることが、いいんでないのになってきたのでもうそろそろ死ぬんじゃないかと思いますが。飛躍したなオイ。

番組内で「英語の早期教育は必要か」というレポートを1時間以内に書く実験をしていた。1時間て、無茶するなあ。対象は6名で、本をまったく読まない大学生(5名)と、日に2時間ぐらい読む大学生(1名)。しかし、対象が6人て個人の能力差に依存しすぎる。

結論ありきで、それを実証するために実験するのは当たり前だけど、あまりに強引すぎた。本を読んでいる人間のほうが読まない人間に比べてデータを効率的にまとめるのがうまく、自分の意見を持ちやすいという結論にしたいようだった。

本を読ませたくてこういう番組を作るのだろうか。本を読まなかった人が番組を観て「よーし、今日から、データを効率的に処理できるように本を読むぞー」ってなるのか。その動機、どうかしてるぞ。誰がそんな目的で本を読みだすのか。なぜ、面白いから、ワクワクするからという当たり前の動機がないのだろう。不思議。

仕事に役立つからというだけの理由でしか本を読まないとしたら、いやあ、もう本当にいけすかないというか、そんな人間には土をお湯で溶いたやつを飲ませたい。意外と美味しいんですコレ。
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