玉川上水日記

このブログの内容はすべてフィクションです

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非常食

▼台風ばかりである。10月ってこんなに台風が来たのだろうか。来たかもしれないし、来なかったかもしれない。書く必要あるか、これ。とにかく台風がよく来る年だ。

友人夫婦の子ター坊(小学5年)の家では災害に備えて非常食を買った。ター坊からは「来週届くから一緒に食べよー」と電話があったのだ。そして非常食が届いたであろう先日、またしても電話があった。

「あのね、一緒に食べようと思ったんだけど、お母さんが非常食は食べちゃダメだって‥‥」
「そりゃ、そうだろうなあ。非常じゃないし」
「非常食っていつ食べられるの?」
「やっぱり非常時なんじゃない」
「非常って‥‥、非常時ってなに?」
「そもそも論的なところにきたなあ‥‥。うーん、非常というのは、非常事態ということだけど、お腹が空いたときが非常時と言えないこともないような‥‥」

そのとき、電話の向こうで缶詰のプルタブを開けるような音がした。ター坊が電話の奥で、誰かに呼びかけている声がする。

「しゅんくん(わたしのこと)が『お腹が空いたときが非常時だ!』って言うから、開けちゃった」

オーイ!ってなるわ、おまえ。はめたな!人を利用したアリバイ作りがすさまじい。将来は2時間ドラマのサスペンスに出演して、あることないこと言って人を陥れるに違いない。わたしは冤罪であると主張したい。

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