玉川上水日記

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映画「サンシャイン2057」

サンシャイン2057
Sunshine / 2007年 / イギリス / 監督:ダニー・ボイル / SF


あちちちちちっ!カネダ、おまえは何を見たのか!
【あらすじ】
太陽の元気がなくなったので太陽に核爆弾を落として復活させに行きます。失敗すると人類が滅亡するよ!


【感想】
原題は「Sunshine」。なんで邦題は「2057」と付け足してしまったのだろうか。有名作品の末尾に年号を足して、有名作品の続編と思わせる手法がある。アルマゲドン2000いくつは有名ですね。アルマゲドン2007~2013は確認した。毎年、地球が滅びかけている。もうちょっと真面目に滅ぼしたらどうなんだ。あのせいか、タイトル末尾に数字が付くと、限りなくB級映画っぽくなるのだ。

そんなサンシャイン2057ですが、雰囲気が良い。ストーリー自体は本当に良くある話なのだ。太陽の光が弱まって地球が氷に閉ざされる。太陽を復活させるため、人類最後の希望として太陽に向けて宇宙船が飛び立っていく。太陽の大きさからして、核爆弾を落としたとしても、太陽が復活するとは思えないのだけど‥‥、そういうことは気にしたら負けなのです!大丈夫!現実に目を背けて強く生きていきたい!

SFやホラーというジャンルはB級映画の宝庫になっています。B級に転落するかしないか、その境はどこなのだろう。やはり登場人物の知性にかかっているのではないか。なにせB級映画は登場人物がアホである。やたらいちゃつくカップルが出たり、罰当たりな行動をとる若者が出たりする。トラブルを起こしたり、モンスターの凶悪さを引き立たせるための、罰当たり人間が用意される。しかし、その安直さがまずい気がする。

その点、この映画は良かった。無理矢理なアホがいない。いろいろあって、わりと揉めたりするものの、理解できる範疇なのだ。

ダニー・ボイル監督作品で「28日後...」から引き続き登場するキリアン・マーフィーさん。この人って、だいたいちょっと憂鬱そうな役なんだなあ。今回もちょっと憂鬱である。

カネダ艦長(真田広之)も活躍。太陽に魅せられて、ちょっと変な人になりかけるのですが、一応セーフ!踏み止まった。

この映画にはエイリアンは出ない。代わりに太陽に魅せられる者が出る。昔に比べて現代では、神を信じる者が減った。科学が神の殺害に一役買ったのだろう。今より科学が発達した2057年でありながらも、太陽の中に神を見出してしまう。巨大な太陽の圧倒的な迫力を目のあたりにすると、逆らえないのだろう。太陽に超人間的なものを感じて、精神が変容してしまう。へんてこなエイリアンを持ってくるのではなく、こういった敵役の作り方もあるのかと感心しました。

でも、前半の神秘的な雰囲気に比べると後半は少し物足りなかった。変に敵役を出さなくも、良かったのではないかと思ったり。SF好きにはお薦めです。


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