玉川上水日記

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映画「サニー 永遠の仲間たち」

サニー 永遠の仲間たち
Sunny / 2011年 / 韓国 / 監督:カン・ヒョンチル / ドラマ、コメディ

フェイスブックに載せられる人生ばかりではない。

【あらすじ】
母の入院先で高校時代の友人チュナと再会したナミ(シム・ウンギョン)。チュナは不治の病に侵され、闘病生活を送っていた。彼女は、最後の願いとして高校時代の仲良しグループに再会することを望んだ。チュナの願いを叶えるため、当時の仲間を集めようとするナミ。みんないろいろあったんだねえ‥‥。

【感想】
どうしても自分の好きなジャンル(SF、ミステリー)ばかり偏って観てしまうのですが、たまに興味の湧かないものでも無理して観ると、当たることがあるんですよねえ。良かったですよ。とても好きな映画でした。

サニーという高校時代の仲良しグループの現在と過去を交互に描いていきます。

7人もいるから憶えきれないかと思ったら、みんなキャラが立っているから簡単に憶えられます。左から、口が悪い、ケンカが強い、美人、重い、臆病、ミスコンに出たい、キレると怖いなど。なんというわかりやすさ。しかし、韓国の女子高生ってあんなに乱闘ばかりしてるのか。ほんとか。特にリーダー(左から二人目)の蹴りは痛い。

高校時代はコメディ部分が多い。ちょっとやりすぎな演技にも見える。言い回しや口調が面白いのかなあ。韓国語がわかればねえ。

で、現在は結婚して夫と娘がおり、裕福な暮らしをする主人公のナミ。高校時代の友人と疎遠になっている部分などは、いろいろ考えさせられます。

仕事でお世話になっていた方から聞かされた言葉を思い出した。
「ある程度歳をとると、同窓会に来るのは成功者だけだよ」
誰もが順調で華やかな人生を歩んでいるわけでもないし、ささやかな幸せすら手に入れてないのかもしれない。経済的に苦しいとか、独身だとか、離婚したとか、病気だとか、引け目を感じることがあれば、昔の友人と疎遠になってしまうこともあるだろう。もっとも、この映画でサニーのメンバーが疎遠になった原因は他のことだけども。

高校時代、仲間たち全員で撮った未来の自分に向けたメッセージを、42歳になったナミが観る場面がとても良い。みなそれぞれミスコリアになるとか、画家になるとか、明るい未来を描いている。現実とのあまりの落差がね‥‥。四十半ばの人が観たら、ボロボロ泣いてしまうのではないか。

ラストは賛否が分かれそう。ちょっとやりすぎかなあというのが正直なところ。最後は、お金で解決という。そうすると結局お金ということだしー。いや、もちろんお金がすべてではないものの、不幸の多くはお金で解決できるのも本当だけど。そこは仲間で助け合ってほしいじゃんかあ!うーむ、みんなで踊っている場合かこれは。「お金をもらって嬉しいダンス」に見える。

ただ、不満な部分を補って余りある良さがある映画だと思います。四十代の人が観ると、もっとも共感できるかもしれない。80年代の音楽、流行、学校の様子などが観られるのもいいですね。お薦めです。


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