玉川上水日記

このブログの内容はすべてフィクションです

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▼とてもくだらぬ話である。

先日、仕事を請けている会社で打ち合わせの後、雑談になった。その場を取り仕切っていたT部長は「優秀な組織がなぜ簡単なミスをおかすのか」というテーマを熱く語っていた。テーマ自体は興味深いが、それを聞いている人々はどこかT部長をバカにしている顔だった。わたしも、その中の一人である。

なぜなら、T部長の右頬にはちぢれた毛がついていたからだ。世界平和を願おうが、格差不平等を訴えようが、顔に陰毛がついていたら駄目ではないか。そんな奴の話を真面目に聞けるだろうか。聞けない。組織をなんとかする前に顔についた陰毛をなんとかすべきだ。その場には7、8人がいたが、みなどこか半笑いだったのはそのせいである。

打ち合わせ後にT部長とご飯を食べたが、部下たちの先ほどの態度に不満そうだった。「みんな、どこか他人事というか、ちゃんと話を聞いてない気がするんだよなあ」とぼやいている。顔に陰毛をつけた男の話など、真面目に聞けるだろうかとは言いづらい。店に来るまでに陰毛はどこかで落ちたのか、もうついてはいない。

そのうち、話はなぜか体の洗い方になった。T部長の洗い方は少し変わっていた。石鹸やボディシャンプーを泡立てるスポンジなどは使わない。石鹸を股間で泡立てた後、その泡で全身を洗うという。その場にいた全員が、そういうことかと納得の表情をした。わたしは「それでかー!」と言ってしまった。部長はちょっと不思議そうな顔をした。理由は説明しなかった。武士の情けである。違うと思う。武士に謝ろう。

またくだらぬことを書いてしまった。
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