玉川上水日記

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映画「ハウスメイド」

ハウスメイド
하녀 /2010年 / 韓国 / 監督:イム・サンス / サスペンス


※性的な場面が多く含まれる映画です。そういった場面が苦手な方はご注意ください。
【あらすじ】
上流階級の家にメイドとして仕えたら、ひどいことをされました。金持ち、許すまじ!ということで、復讐するよ!

【感想】
1960年に作られた「下女」という韓国映画のリメイクなんですね。この映画の邦題は「ハウスメイド」ですが、もはや「下女」という日本語も死語になっており、現代の日本人には伝わりづらいかもしれない。リメイク版は時代設定が現代に置き換えられています。

上流階級の邸宅のメイドとして雇われたウニ(チョン・ドヨン)は、雇い主である家主フン(イ・ジョンジェ)と関係を持ってしまう。ウニの妊娠を知ったフンの家族は、ウニを流産させようとする。

すべてを金で解決しようとする上流階級の傲慢さを描きたかったのだと思う。オリジナルが作られた1960年には上流階級というのは存在しただろうし、今よりも上流と下流の格差は大きく金持ちは横暴だったかもしれない。今の日本では階級や身分が完全に消滅したということはないにしろ、意識することは少ない。

金持ちの横暴さがねえ、あんまりピンとこないんですよね。そんなでもないというか、もっと横暴になってほしかった。

ウニの先輩メイドであるビョンシク(ユン・ヨジョン)。この人がまたいい感じに屈折してるんですよね。息子を家主であるフンの力で検事にしてもらっている。いくら上流階級でも本当にそんなことができるのだろうか。金持ち、ずるい!わたしも是非、検事に。

家主に恩を感じつつも、家主がいないときは家主の椅子でワインを飲んだり、大声で「わたしの息子は検事なんだぞ!」とわめき散らしたりする。上流階級を憎みつつも、上流階級に雇われないと生活を送れないというジレンマから感情が捩れている。きっとこの人は上流階級になりたかったのだろうなあ。

ウニが家主フンの子供を身篭っているというのをフンの家族に密告したのもこの人だし、ウニに仕事をやめるように忠告してくれたりもする。嫉妬や憐憫、良心の呵責が混ざって矛盾した行動を取るのだけど、それが良かった。まあ、情緒不安定おばちゃんです。

で、ウニはというと、そういう屈折も感じず楽しく仕事をしている。奥様ともうまくやっているし、娘は彼女になついてかわいい。家主のフンから迫られるが、無理やりではなく自分から進んでフンと関係を持つ。

で、ダンナ様がねえ、本当に変な人で笑ってしまった。まず、ワインを置いたほうがいいと思うけど。ダンナ様は余計な口説き文句は言わず、ウニに一言「しゃぶれ」と命令する。なにそれー。勉強になります!さすが上流階級。

次にこのポーズである。セリフを付けるなら「我をあがめよ‥‥」などがいいかも。というか、何やってんだよアンタと思います。

最終的にはこのポーズに。ラジオ体操第二で見た。

胎児を無理やり堕ろさせようとすることはひどいが、現代ならば訴訟を起こしたり、マスコミに訴えたり、選択肢がある。オリジナルが作られてから50年経っているので、昔は成立したテーマも現代ではちょっと適合しないように思えました。

ウニがいなくなった後、ダンナ様はまた若いメイドを雇います。懲りんよね、ダンナ様‥‥。


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