玉川上水日記

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映画「ダイダロス 希望の大地」

ダイダロス 希望の大地
Жаужүрек мың бала / 2012年 / カザフスタン / 監督:アハン・サタエフ / アクション

【あらすじ】
部族や土地を守るため、カザフ族の青年サルタイがモンゴル族と戦います。

【感想】
カザフスタン独立20周年を記念して制作された映画。名前は耳にするものの、まったくカザフスタンという国について知らない。顔はモンゴロイドなので、日本人にも似ています。でも、ハグをする文化があったり、宗教はイスラムが多いなど、西洋、東洋、中東、が混ざっている感じで面白い。

国が8億円の制作費を出しているといえば、一種のプロパガンダ映画ということになるのかもしれないけど、あんまり宣伝ぽくないんですよ。本当に自然に観ることができます。でも、出てくるモンゴル人はみんな悪役という。

この鎧を着ている人たちは極悪非道です。間違いないんだ!

こちらはカザフ族側。遊牧民という性質が大きいのだろうけど、まとまりがないのである。着ているお洋服同様、バラバラなのだった。モンゴルも遊牧民だとは思うのだけど、あちらはなぜか組織だった戦闘をしてくるんですよね。どこで違いが出たのか。

最初は、モンゴル族に対してテロのような局地戦ばかり行っていた主人公だが、やがて民族同士の大規模な戦いに身を投じることになる。

ギョッとするような価値観の違いだとか、受け入れがたい風習だとか、そういうのを期待してみたのですが、まったくそんな感じがないんですよねえ。

三国志で、曹操の参謀である荀彧(じゅんいく)が、曹操から贈り物をもらう。本来、中身があるはずが空の器だった。器が空だとお礼の言いようがない。お礼を言ったとしても言い掛かりを付けられてしまう。荀彧は自殺をしてしまう。また、空の器を「中身がない、役に立たない」と荀彧が解釈して自殺してしまったなどの説もある。こういった現代とはまったく違う価値観を観たかった。

しかし、現代人の感覚からすれば、なにも自殺しなくてもと思う。「もうこの仕事辞めますんで。明日からは有給使って今月いっぱい休みますんで。じゃあ、今から敬語もやめていいよね?タメ口でいいよね?」となる。なぜそんなアホ社員ばかりの会社なのか。

明らかに現代人とは違う感覚、感情の過剰さはほとんどない。主人公の幼馴染が、主人公に嫉妬しまくるというのはあるんですけど。「アイツばっかりモテて!アイツばっかり頼りにされて!」で、キーッってなって主人公を弓矢で射るという。あ、感情が過剰な人、いましたね。

カザフスタンの自然、馬と弓矢を多用したスピード感のある戦い、遊牧民の生活など、見所があって面白いです。邦題の「ダイダロス 希望の大地」というのがよくわかんない。ダイダロスというのはギリシャ神話に出てくる職人で、半人半牛で有名なミノタウロスの迷宮を作った人ですね。ギリシャ神話は何も関係がない。どういうことだ。原題もキリル文字で、なんと書いてあるのかわからない。 謎は深まるばかり。

出たー!適当な終わらせ方、出ましたー!

でも、面白かったです。本当なんです。
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