玉川上水日記

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映画「メタルヘッド」

メタルヘッド
Hesher / 2010年 / アメリカ / 監督:ナタリー・ポートマン / ドラマ


暴走するランプの精。
【あらすじ】
母親を交通事故でなくし、立ち直れない家族。そこへ現れたヘビメタ好きの暴力刺青男。勝手に家に居座ります。通報しとこ。

【感想】
メタルヘッドっていうのは「ヘヴィメタル音楽好きのファン」のことだそうです。知らんかった。なんも知らんまま生きてきた。そして、なんも知らんまま死んでいくのです。無情。

というわけで、メタルヘッドです。主演のジョゼフ・ゴードン=レヴィットは「(500)日のサマー」「インセプション」「50/50 フィフティ・フィフティ」などに出ていますね。どの映画も少し変わっていて面白い。知的で線の細い印象だったけど、この映画ではヘンテコな刺青の危ない人になってしまった。わ、わしのゴードンが‥‥。

うーん、よもやの白パン一丁での登場。しかも、初対面の人の家でこの態度。あかん。

左がそんな困ったちゃんを家に招き入れてしまった少年T.J.・フォニー(デヴィン・ブロシュー)、右はT.J.がほのかに恋心を寄せるニコール(ナタリー・ポートマン)。この映画、ナタリー・ポートマンがとても地味な女の子役で出ている。

で、よくあるのが「冴えない女の子」という設定のはずが、女優がきれいだから説得力がないという状態。でも、ナタリー・ポートマンが演じたニコールは、本当に冴えないんですよね。メガネをはずしたこのシーンまで、ナタリー・ポートマンだということに気づかなかった。T.J.からは「おばさん」て呼ばれるし。おまえ、ナタポに向かってなんてことを。

ヘッシャー(ジョゼフ・ゴードン=レヴィット)という人物は、何を考えているかわからない。好き勝手に欲望のままに生きて、何も考えていないのかも。いきなり現れたかと思うと、T.J.の家に居座ってしまう。だが、彼が家に来たことで、母親の死で沈んでいた家の雰囲気が変わってくる。いい方に変わったかというと、そうともいえなくて、よくわからないがとりあえず動き出したという。

T.J.という少年はずっと自分の気持ちを抑え続けて生きている。いじめっ子がいて、かなりひどい嫌がらせをされるけど、家の誰にも相談しない。母親が事故死した車を探すことだけを生き甲斐にしている。

ヘッシャーは、T.J.の欲望が具現化した妖精(にしては、ひどいかっこう)みたいなものかと思った。T.J.の願いを叶えるために現れたのかもしれない。ただし、すべてにおいて過剰なのだ。いじめっ子に復讐したいと思うT.J.だが、ヘッシャーはいじめっ子の車を燃やしたり、鼻をペンチのような物で切ったりする。T.J.は「やりすぎだよお!」と、引いている。

ヘッシャーは欲望の塊で、だが彼がそばにいることでT.J.や父親も感情を解放し始める。やがて、母親の死という絶望から立ち直っていく。最初はヘッシャーがどんな人物かわからず戸惑いましたが、最後はきれいにまとまっていました。おばあちゃんとヘッシャーのやりとりも良かったですね。麻薬入りの水パイプ吸わせたり。無茶な人だよ。


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