玉川上水日記

このブログの内容はすべてフィクションです

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▼以前、勤めていた会社で打ち合わせ。会長から「ちょっと鰻、食いに行こう」と誘われる。「今年は高いですよ」と言ったところ「江戸っ子が丑の日に鰻食べなくてどうすんだ」と返された。地元のスーパーですら二千円ぐらいするので、外で食べたら三千円以上するのではないか。

会社の近所の鰻屋に行く。店内の「鰻重四千円」の文字が見えた。先を歩いていた会長の足が止まった。「まあ‥‥、丑の日だからって馬鹿正直に鰻ってこともないな。今日は暑いし、ソバの気分だな」と言う。五分前まで、江戸っ子が鰻食わなくてどうするって言っていたのに。会長、八十歳を越えて、ついに江戸っ子を卒業。

▼選挙だった。いろいろ思うところはありますが、ネットで何か書けば言葉足らずになるので書かない。しかし、ドクター中松さんには注目していた。ジャンピングシューズの人である。またしても出馬していた。

サイトを見ると華やかな履歴が列挙してある。「米科学学会で『歴史上偉大な五大科学者』に選ばれる」「発明件数世界一で世界の発明王」「ハーバード大、MIT、コロンビア大、東京大学等で講義」参院には「知性の高い人」が選ばれるべきと書いてある。

そこまで優秀なんだからいいかげん当選しないことに気づけ、などと言ってはいけない。それは愛が足りない。ドクター中松愛が不足している。で、サイトを眺めていて最後に書かれていたことに驚いた。「ドクター・中松映画がハリウッドなど世界中で大反響」とある。

調べてみるとカスパー・アスルップ・シュレーデルというデンマーク人監督が、ドクター中松さんを題材に撮影したドキュメンタリーのようです。

予告編の段階で、ちょっと面白い。「普通の人はカメラを買うとき、レンズかメカニズムを調べる。でも、わたしは匂いで買うんだ」と、カメラ売り場でカメラの匂いをクンクンかぎ出すドクター。いいカメラはいい匂いという独自理論。

これは観るしかない!と意気込んだが「ハリウッドなど世界中で大反響」の作品なのにアマゾンで扱ってないという。アマゾンの怠慢である。
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