玉川上水日記

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映画「アンノウン」

アンノウン
Unknown / 2011年 / アメリカ、ドイツ / 監督:ジャウム・コレット=セラ / サスペンス


嫁がかまってくれません‥‥。
【あらすじ】
事故ったショックで自分が誰だかわからなくなりました。嫁が冷たいので泣きそうです、オヨヨ。

【感想】
リーアム・ニーソンが好きなので、出演作品はなるべく手に取るようにしています。この作品、良かったですねー。途中まで‥‥。途中まですごく良かったんだよなあ!

アメリカの植物学者マーティン・ハリス(リーアム・ニーソン 写真右)は学会出席のため、ドイツのベルリンに妻(ジャニュアリー・ジョーンズ 写真左)とやってくる。美人の奥さんや!奥さんというか、娘でも通るんじゃないでしょうかね。お父さん!娘さんをください。

「どや、うちの嫁はんキレイやろ!」と、ご機嫌のリーアム・ニーソンであったが、ホテルにチェックイン直前、忘れ物に気づいて一人で空港に戻る。ところが乗ったタクシーが事故で川に転落。病院に運ばれ四日間の昏睡状態に陥る。目覚めた後も、記憶を失って自分の名前すら思い出せない。

しかし、なぜか嫁は探しに来ず、苦労して探し出してもシカトされる。なななぜ!?しかも、自分の名前を名乗る男があらわれて嫁とイチャイチャしています。誰だよ、アイツー!となって暴れるリーアムだが、みんなからニセモノ扱いされて落ち込みます。「あ、あれ?僕っていったい誰なんだろう‥‥」。

で、自分の存在を証明するには、学会で一緒になるはずだった教授に証明してもらえばいい!俺、やっぱ天才!とばかりに教授のところに。するとなぜかニセモノ(エイダン・クイン 写真中)もおります。キサマ、なぜここに!

教授とは面識がなく、電話で喋っただけである。そうだ!教授、あのとき電話で二人の娘さんがいるとか‥‥、えーと、名前がね、たしかねー、ちょっと思いだせんけど、こういうこと二人だけで電話で喋ったよね!どうだニセモノめ、まいったか!はっはっは!

そう一気にまくしたてるんですけど、真ん中のニセモノも二人しか知らないことを言ってきて最後にはリーアムとハモって同じことを怒鳴りあっている。三人で顔を見合わせて「はぁ?」みたいになるのが、コントみたいでおかしかった。

記憶喪失ものって「自分と相手しか知らないこと」を話すことで、自分が誰か証明するという方法がありますが、この映画はその逃げ道を巧みにふさいでいる。

困ったリーアムは、人探しのプロというエルンスト・ユルゲン(ブルーノ・ガンツ)のところに行く。旧東ドイツ秘密警察シュタージにいたが、今は探偵みたいなことをやっている。神秘的な雰囲気で良かったです。いいおじいちゃんだなあ。

謎が魅力的でしたのでサスペンス好きの方はいかがでしょうか。監督は「エスター」のジャウム・コレット=セラです。

※以降、ネタバレしてます。失われた記憶が何か書いています。



失われた記憶というのは、実は自分は暗殺組織に属する暗殺者で、妻(偽装)も暗殺者。学会に入り込んで教授を殺す計画だった。そして彼に何かあったときのため、予備も用意されていた。学者なのにケンカも強いし、車の運転もうまいというのも納得できた。この伏線の回収は見事ですね。

ここまではいいとして、記憶が戻ったリーアムは暗殺や会場の爆破を止めようとするんですよ。うーん、急に善人になってしまった。なぜだ。この暗殺組織には少なくとも15年前からいます。急に思想信条って変わるものだろうか。

記憶喪失中に出会った新しい恋人に「今まではともかく、これからの行動が大事よ」と言われ「そっかー!俺、暗殺とめる。爆破もとめる」ってなるからなあ。180度、営業方針が変わってしまいました‥‥。いいのか、そんなに簡単で。むしろ、この新しい恋人を殺してしまうんじゃないかと心配になったが、そんなことはないのだった。

暗殺者の記憶が戻ったら、暗殺を実行してしまいそうだけども。ただ、かつての味方からも付け狙われて居場所がないということもある。でも、味方に「記憶戻ったよー。いろいろ暴力振るったけど勘弁な!どんまい!」と言えばいいんじゃないか。許してもらえるかは別ですが。

これってイスラエルパレスチナの設定にしたら面白いような気がする。テロリストとして潜入したものの記憶を失い、相手方を助けてしまって記憶が戻るとか。この作品は記憶が戻ったあとの葛藤(どちらに付くかなど)がないですが、それがあれば文句なしの名作になったかもしれません。リーアム好きの方は是非是非。


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