玉川上水日記

このブログの内容はすべてフィクションです

このブログの内容はすべてフィクションです

あだ名 母さん助けて詐欺

▼仕事を請けている会社へ。隣席のTさんが今日も怒っていた。取引先の人がいいかげんらしい。両手の拳を握りしめて「怒ったら負け。怒ったら負けだから」と、つぶやいていた。自分の中で消化しようとは立派です。しかし、なんだかアニメのキャラみたいだなあ。などと言うと怒られそう。

わたしは頭に来たら、その人のあだ名を考えることにしている。最近は幸運にして、あだ名を付ける機会がない。ちょっと付けたい気分なのに。最後にあだ名を付けたのはクリスマスだった。

特別な日だし、その人も用事があったのだろう。彼は、システムのパスや設定等を誰にも告げず早めに帰ってしまった。しかも携帯に出ない。彼から連絡があるまで帰るわけにいかず、わたしと他の数名は会社に泊まる羽目になった。その取引先の人は、いつも鼻毛が出ていたので「鼻毛クリスマス」として携帯電話の電話帳に登録した。

そうやってくだらないことをして溜飲を下げるのはいいんだけど、困ることもある。長い間連絡をとってないと、顔とあだ名は憶えていても本人の名前を忘れていることがある。外出先から連絡しようと、携帯電話の電話帳を見ても、鼻毛クリスマスさんの名前がわからない。でも、誰だかは憶えているから、相手の名前を言わないですむように恐る恐る会話をするのだ。

太っているというだけで「山田デラックス」と登録した人は、山田さんだとわかるから問題ない。困るのは、名前も特徴もないあだ名だ。怖くて掛けることができないし、もう消していいのかどうかもわからない。たぶん問題ないとは思うのだけど。

今、消そうかなと思っているのは「こだわりのラーメン屋」「四天王で一番最初に死ぬやつ」「筋トレクリスチャン」「ペットにアリを飼ってそう」「適当ババア」の5件です。もう誰が誰かわからない。

▼「振り込め詐欺」「オレオレ詐欺」の新しい名称に違和感がある。

17日午前、女性宅に長男を名乗る男から「会社の金を100万円使い込んでしまった。今週中にお金を戻さないと会社をクビになる」との電話があった。女性は金融機関のATMから指定口座に100万円を振り込んだ。女性の家族が長男に確認の電話をかけ、「母さん助けて詐欺」にだまされたことに気付いた。

だまされて気の毒なのにちょっと笑ってしまう名前である。父さんがだまされた場合は、「母さん助けて詐欺にだまされました父さんです」と自己紹介しなければならんのか。そのときは「父さん助けて詐欺」でいいのか。オレオレ詐欺でいいような気がします。

それよりも、お金を渡せとか振り込めと言われた場合、「電話番号を変更したと言われても、必ず一度は古い番号に掛けてみて」と、うったえるほうが重要な気がする。悪いことをやる人はかなり知恵を絞っているから、それだけでは被害はなくならないだろうけど。それでも母さん助けて詐欺に遭う人は減ると思う。

母さん助けて詐欺を使ってみたかったんです。
JUGEMテーマ:日記・一般