玉川上水日記

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映画「ラバー」

ラバー
2010年 / フランス / 監督:カンタン・デュピュー / コメディ、ホラー


タイヤちゃん(凶暴)の冒険。
【あらすじ】
砂漠に捨てられていた古タイヤが意識を持ち、いろんな生き物を襲います。あと女好き。

【感想】
冒頭、警官が「すばらしい映画には、理由がない」と語りだす。「E.T.」の宇宙人が茶色なのに理由はないとか、他にもいろんな名作を例に出す。だから、この映画のタイヤが突然意識を持ち、人を殺すことにも理由がない。そして、理由がないことが名作の条件なので、この映画も理由がないから名作だよね!という主張を暗にしつつも、作ってる側の「そんなわけないよねー。わかってる、エヘヘ」という冗談が見え隠れする。フランスならではのひねった感じ。エスプリっていうの?よくわかんないけど。

タイヤちゃんが砂漠の中で目覚めて起き上がり、いろんなものを壊していく様子は面白かった。ペットボトルを踏みつけ、ビール瓶を踏みつける。ビール瓶が割れないとなると、怒りで体をプルプル震わせてビール瓶を破裂させる。そう!タイヤちゃんは超能力が使えるのです!

これが見せ場のすべてかなあ‥‥。怒る!→プルプルする!→破裂。そういう映画だよ。

あと、なぜか女好き。お姉さんの入浴シーンを覗いたり、プールに入っているところを眺めたり。

モーテルの一室でインディ500だと思いますが、テレビでカーレースを観ているタイヤちゃん。これが楽しめるかどうかで、この映画を観られるかどうかが決まるのではないか。タイヤがタイヤたちの活躍を観ているのか、自分もあそこに出るんだと思っているのか、タイヤの酷使に怒っているのか、よくわかんないですけど。タイヤギャグがわからんと、この作品はつらい。

すごくたくさんの作品を観て「もう、ふつうの作品は飽きた」という人はいいかも。たまの休みで「よーし!今日は久しぶりに映画観ちゃうぞー!」ってテンションで観ると、窓から「ドリャー!」ってDVDを投げかねない。期待して観るのは危険。

予告編を観て驚いたのだけど「僕の名前はロバート」など、いきなりタイヤが一人語りをしている。お、おまえ、本編で名前なんか言ってないだろう!しかも「特技は殺人!」て、張り切ってるなあ。あれか、予告編が一番面白いというエスプリか。

淡々としていますが短めなので、それほど退屈しないで観られました。お時間ある方は、えーと、お時間ある方も他の作品を観たほうがいいかもしれません。ティッシュペーパーの箱の裏の説明を読むしかやることがない人は是非。あー、でも箱の裏とどうだろう、いい勝負か。

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