シックス・デイ
2000年 / アメリカ / 監督:ロジャー・スポティスウッド / SF
【あらすじ】
いつの間にか、自分のクローンが作られてました。
【感想】
「シックス・デイ」という数字付きのタイトルですが、数字を付けられると観たんだか観てないんだか怪しくなる。いっぱい似たようなタイトルあるんで。「シックスデイズセブンナイツ」とか「9デイズ」とか。疑いつつ観ましたが初見でした。記憶に自信がない。おじいちゃんなので。
シュワちゃんの作品は久しぶりに観た。2000年の作品ということで、やはりちょっと古臭い感じはするんですよね。銃撃戦で人体の一部が弾けとんだりするけど、あまり残酷さがなくて良い。最近のはみょうにリアルなので、これぐらいだとありがたいです。ちぎれた指とかもビニールっぽい感じで、百円ショップとかに売ってそう。そこがいいのかな。
ストーリーは、クローンを主題にした近未来SF。仕事を終えて帰ってきたら、家の中には自分そっくりの男がいた。慌てて家の中に入ろうとした主人公のアダム(アーノルド・シュルツェネッガー)だが、そこを怪しい二人組に襲撃され逃亡する。なぜ自分のクローンが作られたのか、クローンを作った連中は何者なのか、あとクローンが自分の妻とイチャついてるのでプンスカする。アイツめー!って、あれは俺なのかなあ‥‥、誰に怒っていいのかわからーん!てなる。かわいい。
この世界のクローンは日焼けサロン並みの手軽さで、すぐにできます。日サロですわ!行ったことないけど。まず一番上の画像にあるちょっとふざけた機械で、オリジナルから記憶を抜き出します。この抜き出された記憶「シンコード」というものをクローン人間の元に入れて出来上がり。二時間ほどでオリジナルの記憶を持ったクローンができるよ。
で、クローン人間は法律上禁止されているのだけど隠れて使っている人たちがいる。その秘密を知ってしまったためにアダムは狙われます。
これは悪者チームの皆さん。彼らはクローン人間である。みな命知らずで「俺が死んでも、また新しいの作ってもらえばいいんだかんね!」とばかりに、シュワちゃんに向かってくるわけです。うーん、なんだかクローンさんたちの気持ちが良くわからないんだよなあ。
シンコードという記憶があるから、それを注入すればいくらでもクローンを作れるのはわかる。でも、自分が死んでしまえば意識が途切れて終わりである。新しく作ったクローンて、オリジナルの記憶は引き継いでいるけど他人なんですよね。そのクローンの意識は、自分の意識ではないから。なんであんなに命知らずになれるのかがわからない。亀で無限増殖して、残機数がアルファベットになったマリオぐらいの無謀さでやってくるんですよ。
ここらへんはみなさんにスーパーマリオをやってもらってですね、わからない人は置いていきます。もう、みんな、わかんないんだろうけども。
クローンビジネスをやっている悪の経営者のところにたどり着きます。ここでシュワちゃんは「人が死ぬのは神の意思だ」みたいなことを言う。それを受けて、悪の経営者も「人を作ったのが神ならば、人が科学を駆使してクローンを作るのも神の意思ではないか」みたいなことを言うのだ。これは説得力のある主張に聞こえる。正しいとは思わないが。
で、シュワちゃんは「ドリャー!」とばかりに悪の経営者をぶっ飛ばして拳で回答という、あれ、ちゃんと答えてませんけども。自然保護などでもこの考え方はありますね。自然を保護するというけど、人間自体も自然に含まれるのだから、人間の破壊行為も自然に包含されるのではないかというものです。理屈はわかるが、やはり正しいとは思わない。
※ここから先、ラストに触れています。
シュワちゃんとシュワちゃんのクローンが協力して悪いやつを倒すんですが、どっちか死ぬと思ったら両方生き残るんですよね。そこに驚いた。家族のほうは1組しかいないから、うーん、そのー、これはどうなるんだろー、とヤキモキしてると、クローンは旅に出てしまった。「これは俺の家族じゃない」とか言って。
近くに住んで一日おきに入れ替わるとかでもいいと思うんだけど。仕事も半分こで、週休3日制の実現じゃーい!って楽しそうだなあ。保険も税金も一人分でいいんでしょ。うーん‥‥、アリだな!って思いました。
奥さんとの関係は微妙ですよね。自分が相手だから嫉妬とかはいいのかー。奥さんと前日にケンカして、次の日に違う自分と入れ替わって「ハニー!」みたいな感じで抱きついたら、ぶっ飛ばされると面白い。「あの野郎!ケンカしたんならしたって言ってくれよ!」って思うんだけど、自分も彼とほぼ同じ行動を取ると考えると怒るのもみょうな気がする。そんな感じで「シックス・デイズ2」を作っていただければ観てしまうかも。2はコメディだな!