玉川上水日記

このブログの内容はすべてフィクションです

このブログの内容はすべてフィクションです

映画「守護神」

守護神
2006年 / アメリカ / 監督:アンドリュー・デイヴィス / ドラマ


【あらすじ】
アメリカ沿岸警備隊の活躍。救難士育成学校の訓練。

【感想】
多くの人は自分のやっている仕事について「この仕事は、はたして世間の役に立っているのか?」と自問したことがあると思う。あなたがたは、あれでしょ?自動販売機のお釣りのところに手を入れてみるご職業だから、あまり考えたことがないかもしれないけど。駄菓子を買いたい小学生もやってるやつです。

そんなどうしようもない仕事と真逆にあるのが沿岸警備隊の仕事です。もう、これは誰がなんと言おうと100%の正しさというか。これほど立派な仕事もないんじゃないだろうか。頭が下がりますよ。

左は、過去何百人もの人を救ってきた伝説の救難士ベン(ケビン・コスナー)。カリスマ性を演出するときに「伝説の」とかって本当によく使われるなあ。あれを聞くとですね、「出た~!またもや『伝説の』が出た~!」って、なります。わたしが。うるさい。

で、あれでしょ。新人が無茶をやらかすと「お前は、俺の若い頃に似ている‥‥」とか、まぶしそうに目を細めて言うんだよ!な!伝説の人は、そういうところがある。今回はございませんでした。じゃあ、この文章いらないわ。

右は訓練生のジェイク(アシュトン・カッチャー)。ベンの教え子であり、無茶をやりがちな新人。ストーリーはすごくオーソドックスですね。育成学校の教官になったベンが教え子たちを育てていく話。まったく派手さがなく、登場人物の性格もわかりやすい。まるで沿岸警備隊のプロモーションビデオみたいなんですよね。きちんとした作り方ではあるものの、やや単調さを感じてしまった。

あと、デートで観ることを意識したのか恋愛シーンが入っているのだけど、どうもそれが不要に思えた。あんまりゴチャゴチャ入れないほうがいいのではないか。海の男に恋愛は不要なんだよ!という偏見を振りかざしたい。

で、荒れ狂う海をかきわけて遭難者の救助に向かうんですが、嵐のシーンは本当によく撮れてますね。あんなところに飛び込むなんて、ふつうの人にはまずできないことです。救難士の育成学校の卒業率は50%を切るそうですが、厳しい訓練の賜物ですね。

この映画の日本版のキャッチコピーは「死んでも、守り抜く」なのだけど、これはどうなんだろうか。命をかけて、というのは聞えはいいものの、助ける側の命もやはり同様に大事なのだし。もちろん、他人を助けるためについ無理をして命を落としてしまわれる方もいるのだろう。アメリカ版のコピーは「HOW DO YOU DECIDE WHO LIVES OR WHO DIES?」(誰を助けて誰が死ぬか、どう決めるのか)である。

こちらのほうが映画のテーマに沿っている。遭難者が多数いて、助けられる数に限界があるとき、誰を助けるか選ばなくてはならない。助ける側にはとてつもない葛藤があることが想像できる。沿岸警備隊の仕事、訓練学校の様子を知るのにはいい映画かも。


JUGEMテーマ:映画