玉川上水日記

このブログの内容はすべてフィクションです

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食事

▼新入社員の人たちと食事。部長によると今年の新入社員はとても優秀とか。

「ハハハ。そんな優秀な人たちがこんな馬の骨会社を選ぶとはねえ、アハハアハハ!」

軽くふざけただけなのに、心にもないことを言ったのに、部長様の目が笑っていない。次は発注をもらえないかもしれない。

▼部長いわく「俺の頃なんて、入社試験で名前書くだけで入れたけどな」と言っていた。わたしの隣の新人の子が「本当ですか?」と小声で訊いてくる。

「いや、名前は書いてないと思う。部長は字が書けなかったから。試験の用紙に手形を押して入ったから」

部長はしっかりと聞いていたらしく「いや、俺、名前は書けるよ。書道もやってたし」と真顔で否定された。誰も疑ってないだろうに。

▼わたしは座った位置が悪く、女子のテーブルに入ってしまった。居心地が悪い。間違えて女性専用車両に乗ってしまった人である。しかし、女の子は初日から恋愛話で盛り上がるのがさすがだ。男の場合、きまりが悪いときは意味もなく仕事の手順を確認したりするけど。

新入社員の子の彼が気が利かないという話だった。「女の子といるときって、ふつうは男の人が車道側を歩くと思うんですけど、そういうのが全然ないんです」などと言う。周りも「いるわー、そういう気の利かない男」「いるいる」などと同調している。

こっちをチラチラ見るな。わたしが上司なら、今こっちを見たやつの給料10%カットできるのに。

男車道側理論というのは聞くことはあるし、言われたこともある。でもこれ、あんまり納得いかないんだよなあ。車に引っ掛けられることを想定してるんだろうけど、車にやられるんなら男も女もそんなに違いがない気がする。男でも大怪我するんじゃない?という。

じゃあ、どっちが車道側でもいいと思う。男女平等ってことで。そもそも、そんなに危険を考えるなら二人横に並ばないで縦に並べばいい。こうすれば前後から銃撃されたときも、一人が盾になるから一人は生き残れる。

さらにその前後の間隔を5メートルほど空ければ、横からの銃撃についても一回の掃射で死ににくくなる。話はしにくいけど。それはデートなんでしょうか。

「そういうことじゃなくて大切にされてる感じがいいんですよ」「ねー」「わかってない。本当にわかってない」「女心検定10級の問題ですよ、それ」などと言われる。もう、リンチじゃないですか、君ら。

女心検定は、手形をバーン!て押して提出してきたからさあ。いまだに10級も取れてないんです。今度、その検定をやっているビルに爆弾をしかけに行こうと思います。あれは国のためにならない。
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