玉川上水日記

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映画「主人公は僕だった」

主人公は僕だった
2006年 / アメリカ / 監督:マーク・フォースター / ラブコメディ


主人公は石原良純に似ていた。
【あらすじ】
税金の徴収を行う内国歳入庁につとめ、規則正しくも退屈で単調な生活を送るハロルド・クリック(ウィル・フェレル)。ある日、頭の中に女性の声が聴こえてきた。

【感想】
主人公が石原良純に似ているんだよなあ。赤いセーターを着たウィル・フェレルは、かなり良純度が高い。良純もセーターをよく着ている。カマボコが大好物で、各地の練り物大使に就任している良純。だからどうしたという話ですけども。

特に期待せずに観ると、思ったよりも良かったと思うことがあります。そんなお得感が味わえました。ラブコメというと、主役二人の出会いはお互いに第一印象が悪い。でもなんらかの事情で一緒にいなくてはならず、時間がたつうちにお互いのことを意識しはじめ、そして‥‥、だいたいそうなんだよ!君らは!進歩がない。

トム・ハンクスメグ・ライアンの「めぐり逢えたら」から、やってることがあまり変わってない。だからか、いつの間にかラブコメを観なくなってしまった。「めぐり逢えたら」は良かったけど。この映画はちょっと設定がSFっぽくて面白い。どう変わっているかは映画のキモなので書きませんが。

左は、税金を滞納しているパン屋のオーナーのアナ・パスカルマギー・ギレンホール)。「税金なんて払わねーぞ!」と、こねていたパンを壁に叩きつけて主人公を威圧。帳簿を出すことを拒否して嫌がらせをする。顔がかわいいからラブコメになっているが、そうでなければモンスターオーナーである。まさしくセオリーどおりの最悪の出会い。だけど、観ていくうちにだんだん「いい人かも」と思えてくるのだから単純なものである。

右は、ペニー(クィーン・ラティファ)。パリッとスーツを着こなして、わがまま作家(エマ・トンプソン)の秘書を務める。気分の上り下りが激しい作家をうまくコントロールして仕事をさせます。できる女や。

作家の灰皿に大量の吸殻が溜まっているのを見て「ヘビースモーカーですね」と言えば「吸殻を買ってきただけよ」と返す。この映画のジョークは、つい唇の端が上がってしまうような、静かな笑いがいい。彼らは後半に主人公と絡んできます。

SFやミステリーは、ものすごい設定や謎を冒頭に提出して、それを満足がいく形で回収できるかに尽きると思う。この映画は設定は変わっていて面白いですが、残念ながら最後の場面が凡庸すぎる。回収するところで力尽きた。最後にもう一ひねりあれば、それこそ名作になったのに。ただ、つらい終わり方にはしてないので、それはいいですね。ダスティン・ホフマンも、ちょろっと出ております。面白かったです。


そうそう、公式サイトを見るとストーリーがほぼ全部書いてあります。あれはまずいのではないか。たまにそういうことがある。援護射撃をしているようで、背中から味方を撃つ感じ。誤射がすごい。
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