玉川上水日記

このブログの内容はすべてフィクションです

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Y竹さん

▼今年の1月はずいぶんと寒い。昨日も雪が降った。よく「コタツと結婚したい」などと言う人がいますが「なんだ、まだ結婚してなかったのか」という話ですよ。当然、学生時代に籍は入れてるし新婚旅行は熱海に行きました。

コタ子とも、もう四半世紀は一緒にいるのか。来年は25周年だし、銀婚式のお祝いを‥‥、そう考えていた矢先のことでした。コタ子は逝ってしまったのです。コタ子~!ど、どうして春までもってくれなかったんや!おまえしか、ワシにはおまえしか~!

という日記をコタ子2号で書いている。コタ子2号はすぐ温かくなる。幸せ。

▼で、Y竹さんの話である。わたしとN氏は、ある会社から仕事を請け負っていて、用事があるときだけその会社にうかがっております。新しく始まった仕事で人手が足りず、何人かこちらに回してもらえるように、その会社の部長にお願いしていた。しかし部長は出張に行っていた。戻ってからあらためて相談するしかない。

人手が足りないままなので先週はほとんど会社に通っていた。で、部長が出張から戻る前日の夕方、隣の課のY竹さんという男性が話しかけてきた。彼はわたしより少し年上だろうか、三十代の後半である。

「部長からこっちの仕事手伝えって言われてたんですけど~、なんか忙しそうにしてるから声かけちゃ悪いなと思って。今日はもう遅いから明日からよろしく~」と言うと、さっさと帰ってしまった。わたしはあまりのことに茫然としていた。

部長は出張前にきちんとY竹さんを手配をしてから行ったのだった。当然Y竹さんがわたしのことを手伝うと思うはずである。「Y竹に手伝うように言っといたから」と言ってくれればありがたかったけど。わたしも部長に人の手配について確認すれば良かった。出張で忙しいのだろうと遠慮してしまった。

で、先週なのだがわたしはほとんど会社に居たにもかかわらずY竹さんは何も言ってこなかった。これはあれか、わたしが悪いのか。何十人の社員の中から、ほとんど面識がなく、しゃべったこともないY竹さんの所に行ってですね「ひょっとして、まさかと思いますが、今日からわたしの仕事を手伝うようにって部長から言われてませんか?」って訊かねばならないのか。

わしゃ、超能力者かーい!ってなりますよ。そんなのわかるか。なぜ、話しかけてこないのだ。机の距離は10メートルも離れてないのに。しかも、忙しそうにしてるから声かけられなかったって、その忙しいのを緩和するためにあなたが手配されたんじゃないのか。えーもー、本当にねえ。わたしが上司なら、Y竹を裸にしてハチミツ塗って熊のオリに投げ入れる。そして殺人罪で起訴される。

しかし、Y竹さんは一週間ずーっと何をしていたのか。あれかね、着席が君の仕事かね。しかも部長が戻る前日の夕方にようやく言い出すとは。いかん、怒りで気絶する。と思ったものの、これは怒りを通り越して「日記に書ける」ということで心を静めた。良かった~、日記書いてて!

そうでなければハチミツ殺人事件が起きている。
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