玉川上水日記

このブログの内容はすべてフィクションです

このブログの内容はすべてフィクションです

映画「グリーン・ゾーン」

グリーン・ゾーン
Green Zone / 2010年 / アメリカ / 監督:ポール・グリーングラス / サスペンス


大量破壊兵器騒動とは、なんだったのか。
【あらすじ】
イラク戦争開戦の根拠ともなった大量破壊兵器。ロイ・ミラー(マット・デイモン)が所属する米軍MET隊はイラク大量破壊兵器捜索に従事していたが、何度も軍の上層部からニセ情報をつかまされていた。なぜニセ情報が降りてくるのか、ミラーは上層部への不信感を募らせていた。

【感想】ネタばれしてます。
作品の冒頭を観たとき、なんとなくこれは面白そうだな、駄目そうだなという感覚があります。開始5分~15分ぐらいでわかるような。この映画はちょっとワクワクする気持ちになりました。面白かったなあ。第九地区やトレーニングデイ、ダークナイトを観たときにも感じたのだけど。

軍物というのは、なんだかんだ理由を付けるけど「よーするに銃を撃ちたいんでしょ!ドンパチやれれば満足なんでしょ!」と思ってた。エクスペンダブルズとか。筋肉!銃!爆発!勧善懲悪!というアホアホ映画じゃないかという。怒られる。銃で撃たれる。あれはあれで楽しいんだけど。

この作品は銃撃戦がメインではない。「大量破壊兵器があるってことで戦争になったのに、ひょっとして上層部はなんか隠してないか」という疑問をもったロイ・ミラーがCIAと協力して捜査をすすめていく。サスペンス色が強い。CIAの偉い人として、ヒットマンズ・レクイエムでも活躍したブレンダン・グリーソンが出ています。わたしの好きな太っちょである。

で、ご存知のように現実の世界でも大量破壊兵器は発見されなかった。じゃあなぜ大量破壊兵器があるということになったか、その部分をある一人の人物の陰謀にしてしまっている。ちょっと、そこはねえ、強引すぎやしないかという。戦争の原因を一人の人間に帰するのは、無理があるかもしれない。そもそも彼がどんな理由で、ないものをあることにしてしまったかが詳しく描かれていない。

で、あまり多くないとはいえアクションシーンもよくできている。だけどリアルさを追及したせいなのか、とにかく暗い。

暗いというのは陰惨な描写があるという意味ではなく、この写真のように何をやっているかわからない。「ん?これはミラーが拉致され‥‥る?されない?敵が死んだ‥‥のか?死んでない?」などと。人影がバラバラ出てきて、なんかいろいろやっとりますなあという。リアルさを追求するのもいいけど、そこらへんをなんとかしてほしかったよ‥‥。

あとイラク人のフレディ(ハリド・アブダラ)は良かったですね。イラク戦争の根拠となった大量破壊兵器はなかったが、イラク人はフセイン政権が打倒されたことをどう考えているのか。お薦めです。


JUGEMテーマ:映画