玉川上水日記

このブログの内容はすべてフィクションです

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ビデオ

▼人はいくつぐらいから機械に弱くなるのだろう。わたしは今のところ、家電製品の扱いに困ることはない。正月に叔母に会って家電のことを相談されたがどうも会話が噛み合わない。

「新しいビデオを買うと、今まで観ていたビデオはどう観ればいい?」と訊かれる。それは新しいビデオで観たらいいだけの話ではないか。しかしせっかく新しく買うのに、ブルーレイ、DVD、ハードディスクでもなくビデオというのはちょっとなあと思った。

だがよくよく話をきいてみると、叔母が言っている「ビデオ」というのは録画ができる機器全般を指しているのだった。家庭用ゲーム機全部を「ファミコン」という人に似ている。ちなみに叔母はニンテンドーDSを「DSのファミコン」と呼んでいた。DSって言えてるのに。

叔母が言いたいのは、新しい録画機器を買ったら今まで録りためたビデオテープは何で再生すればいいのかということなのだ。ビデオとDVDなどがセットになっているやつを買うか、ビデオはあきらめるか、悩みどころではあるものの、録りためてあるテープが大量の冬ソナであるということなので、もうどうでもいいんじゃないのか。再放送するだろうし。

で、叔母は家電量販店でブルーレイレコーダーを買った。
「新しいビデオのブルーレイが欲しいんだけど」と店員に訊いていた。店員も慣れたもので「新しいビデオのブルーレイですと、こちらになりますが」と案内していた。通じるのか。

▼年末にドラマ「JIN-仁ー」がBSで一期、二期ぶっ通しで放映されていた。叔母は二十二時間、全部観たそうである。わたしの母もそうである。根性で代替可能なので、ブルーレイとかいらないんじゃないでしょうか。で、叔母は正月にまたやっているJINをさっそくブルーレイで録画していた。

「新しいビデオはやっぱりきれいねえ」と言っていたが、録画しているだけでテレビで直接観ているのだから、まあなんというかものすごく滅茶苦茶なことをおっしゃっていますが本人が満足そうだからそれでいいと思います。

▼機械にしろ映画や漫画にしろ、好き嫌いはあるにせよ、わからないということはあまりない。でも、あと十年たてばどうだろうか。わからなくなっている気がする。これは好奇心の向く方向なのだろう。あと十年もすればいろんなことがわからなくなって、また別の新しいものがわかるようになるのだろう。

好奇心の行方は、やがては美容健康食品にたどりつく。グルコサミン&コンドロイチン&朝鮮人参&なんとかに詳しくなる。プラセンタ100をむさぼり食い、夜スリム トマ美ちゃんをがぶ飲みする。夜スリム トマ美ちゃんと書いてみたかった。すごい名前。ただならぬ小林製薬っぽさ。

あと、トマ美ちゃんのCMモデルは全体的にヤンキーっぽい。そこが気になる。セレブではなくヤンママ層が夜スリム トマ美ちゃんのターゲットということでしょうか。実にどうでもいいことを書いて新年のご挨拶とさせていただきます。

いよいよ誰もこのブログを読まなくなる予感。
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