玉川上水日記

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映画「アウェイク」

アウェイク
2007年 / アメリカ / 監督:ジョビー・ハロルド / サスペンス


【あらすじ】
心臓移植手術を受けることになったクレイ(ヘイデン・クリステンセン)。手術中、麻酔のせいということだけど、なぜか幽体離脱。事件が起きますが幽体離脱中なので何もできません。オタオタしている間に事件解決。あー、よく寝たわー。おわり。

【感想】ネタばれしてません。
今年は一年通してサスペンス映画をほとんど観なかったんですよね。なんでだろう。で、久々に観たサスペンス映画「アウェイク」は実に予想外の展開でした。ただ、完全にだましてくれたにもかかわらず、今ひとつだったのが不思議。悪くはないと思うんだけども。

映画の冒頭で「術中覚醒」について語られます。術中覚醒とは、全身麻酔をしたのに意識が残り痛みも感じるが、声を出すことも体を動かすこともできなくなってしまう症状である。アメリカで毎年2100万人以上の人が全身麻酔を使用した手術を受け、そのほとんどの人は眠ってしまうが3万人ほどの運に見放された人がこの術中覚醒になるという。

意識があるのに、メスで体を切られても医者に何も伝えることができない。恐怖と苦痛を感じたまま手術が行われる‥‥、こわー!

というなかなか興味深い導入部分なのですが、あんまり術中覚醒という設定がいかされていない気もする。術中覚醒というか幽体離脱映画になるのだ。映画が始まって30分ぐらいは主人公で青年実業家のクレイと彼の恋人であるサム(ジェシカ・アルバ)がいちゃつくところしかでてこない。

もうさあサスペンス映画を観ているのだから、こちらとしては「早く誰か死なないかなー。はーやーくー」である。サンタさんを待つ子どものように目をキラキラさせて待っている。

で、二人がいちゃつくのもようやく一段落。クレイさんは心臓が弱く、友人の外科医ジャック(テレンス・ハワード)に移植手術を依頼する。その手術のシーンがねえ、痛そうなんだよねえ。

麻酔の効きが十分ではなく意識だけはある。クレイは声を出そうとするが出ない。その異常な状態に誰も気づかずに彼の胸はメスで切り開かれていく。「いたたたたー!で、でも大丈夫!恋人のサムのことを考えればこれぐらい乗り切れるはず!サムーっ!」と、まさかの根性論で乗り切るクレイなのだった。乗り切れました。

乗り切れんのかーい、となった。もう麻酔とかいらない。で、どういうわけか幽体離脱するんだよなあ。ここらへんから話がちょっと怪しい。幽体離脱してなぜか過去にもいけるのです。すると、彼の周囲に張り巡らされていた陰謀が明るみに出てくるのだった。出てくるんだけど、なにせ本人は幽体離脱中なので「え!あいつがあんなことを!」とか「誰か、あいつを止めてくれー!」などとオロオロしますが誰も聞いてない。

主人公の何もやってなさがすごい。事件になんの影響も与えないからなあ。恋人、母親、医者ががんばり、主人公が寝ている間に事件が終わっていたという不思議な作品だった。どんでん返しもあって驚いたのですが、あんまりすごいとは思わないんだよなあ。主人公が寝てたからかも。寝てる、幽体離脱してオロオロする、終わり、という。

恋人役ジェシカ・アルバ、母親役レナ・オリンが良かったですね。驚きたい人にはお薦めです。

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