玉川上水日記

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映画「スカイライン -征服-」

スカイライン ―征服―
2010年 / アメリカ / 監督:コリン・ストラウス、グレッグ・ストラウス / SF


【あらすじ】
謎の侵略者がやってきて地球人を吸い込みまくります。ダイソンです。

【感想】ネタばれしてます
あらすじは一行で語れる映画なのだった。ちょっと「宇宙戦争」にも似てるんですよね。一般市民が状況もわからずに謎の生命体に襲われていくという。宇宙戦争が好きな人はいいんではないでしょうか。

主人公ジャロッド(エリック・バルフォー)は恋人のエレイン(スコッティ・トンプソン)とともに友人テリー(ドナルド・フェイソン)の元を訪れます。テリーはロサンゼルスで成功し、美人の奥さんと高層マンションに住んでいる。愛人もいるし人生絶好調という感じなのだ。

そしたらば宇宙人なのかなんなのかわかんないけど、宇宙船から巨大な青い光が出たと思ったら人々がブワーッと宇宙船に吸い込まれていってしまう。この映像は良かったですね。で、「青い光を見るなー!隠れろー!」とか、ワーキャーやってる間に映画が終わってしまった。本当にそれだけなのである。マンションからまったく出ないという斬新さ。金のかかったかくれんぼを1時間半観た感じである。

この映画で面白かったのが主人公ジャロッドである。性格はいいけど駄目な人なのだ。ふつうは主人公が比較的まともな判断力を持っていて、他の登場人物を導いていくというのが当たり前だと思う。男は3人出てきますが1番駄目である。
で、この人、すぐにちょっとイチャつくのが面白い。これは友人テリーから一緒に屋上の様子を見に行こうと言われたときである。恋人エレインに「行ってくるよ」みたいなことをやってる。

観てる側としては「さっさと行けやー、こらー、人たくさん死んでるじゃんかー」と思いますが、そんなことはまったく気にしないジャロッドさんだ。のんきです。この後に屋上のオートロックのドアをうっかり閉めてしまいテリーさんから怒られます。そのとき素直に謝るのがかわいい。

 
左)友人テリー、右)管理人オリバー(デイビッド・ザヤス)
この二人なんですけど、明らかに主人公より決断力があるんですよね。テリーが海に出てクルーザーで逃げようと言えば主人公も「海は安全だ!」と力強く同意する。当然根拠はない。

管理人オリバーが「マンションにいたほうがいい」と言うのに、主人公は「屋上に出るんだ!」と言い張ってエレインを無理に連れて行ってしまう。エレインも最初は主人公の判断を危ぶんでいるんだけど「好きだからしかたない」みたいな感じで行ってしまうのがいい。

テリーもオリバーも主人公より的確な判断力を持っているようなんだけど主人公より先に死んじゃうんですよねー。そこがちょっと面白かった。あんまりなんにも考えてない人が生き残ってる。

そんな主人公ジャロッドさんの「志村ー!うしろ!うしろー!」的な図。

ジャロッドもエレインも結局、母船に吸い込まれてしまいます。二人とも体が宙に浮き上がり、もうこれで最後かというときに空中でキスをするシーンがある。それはおそらく死んでも離れない二人の永遠の愛を表わしているのだと思う。

が、「こんなときに何やっとんじゃー!」と笑ってしまった。ここで感動するか、笑うか、怒るかでこの映画の評価が分かれるんじゃないのかなあ。わたしは、しょうもないなあと思いつつ、なんだか嫌いになれませんでした。


志村、うしろ、うしろー!というのも、もう意味がわからないたとえかもしれない。ふとそんな感慨。
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