玉川上水日記

このブログの内容はすべてフィクションです

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グルメレポートの正解

▼前から観ていてよくわからなかったのがグルメレポートである。あれの正解はどこにあるのか。味を正確に伝えるのはそもそも不可能である。たとえばラーメンを紹介するとして、いくら言葉を尽くしても食べたことがない人には、そのラーメンの味を正確に伝えることはできない。結局は同じラーメンを食べもらうしかない。

だから「麺がスープにからんでいる」などの表現が発達したのだろう。その表現はある程度は有効なのだろうけど、観ている人にとっては「麺がスープにからんでいる」などの描写は本当はどうでもよくて、その料理を視聴者が食べたくなるかどうかが大事なのだろう。

そうすると正解というのは、食いしん坊な人や太っている人が食べるということだろうか。いかにも美味しそうに食べる様子を観れば、こちらの食欲もそそられる。ホンジャマカの石塚さんのような。だからですね、中学三年ぐらいの食べ盛りの男子を監禁したうえで餓死寸前にして「はい!」ってラーメンを出せばいいと思う。はい、じゃないわ。そんなもの放送できるか。

▼映画などを観ていて、以前は伏線が張り巡らされているこんがらがった映画が好きだったのだけど、最近はそうでもない。伏線や裏設定などがあったとしても、あまり細部には目が行かずに作品全体を捉えるように変化してきたと思う。

ゴチャゴチャしたものについて考えるのが少し面倒になってきた。細部よりも作品がもっている雰囲気を楽しむようになっている。これは僕が歳をとったことと無関係ではないのかもしれない。今はその変化を肯定的に捉えている。

趣味でもなんでも、その分野のものをある程度知っていくと好みは狭まってくる。メジャーな物より通っぽい物が好きになるとか。で、狭まった好みが今、急にまた拡がろうとしている。自分の中で何かが変わろうとしているのを感じる。今までは、作品というのは人間のようなものだと考えてきた。どの作品もいいところも悪いところもあるが本当に好きになる作品は少ない。でも今はちょっとだけ好きになる範囲が増えてきたように思う。

作品に対してそうならば人に対してもそうなれるのだろうか。人の細部にばかりこだわらずに、その人全体をみることができるような。人を好きになれる範囲が増えてきたような、明るい変化を感じている。なんだかとりとめのないことを書いている。
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