ウォッチメン
2009年 / アメリカ / 監督:ザック・スナイダー / アクション
【あらすじ】
ヒーローが暗殺されているらしいので調査を始めたら陰謀に巻き込まれたよ。
【感想】ネタばれしてません。
アメコミといえば、バットマンやスパイダーマンが悪いやつらを懲らしめるという単純なイメージしか持ってなかったんですよ。最近はちょっと複雑になってるんでしょうか。悪いやつをドーン!って殴って、また来週!とはいかない。
ヒーローは精神的にも肉体的にも完璧な超人というわけではなく、そこらへんにいそうな人間として描かれている。もちろん力は強いけど。時の政権に協力して民衆を弾圧したり、戦争に加担したり、正義とは程遠いこともする。設定がわりとシリアスなんですよね。
これはいったいどの層に向けて作られているのかと思った。ヒーロー物というのは、わたしのように何も考えてないアホがアホみたいな顔して「なんて悪いやつだ!やってしまえー!」とかね、そういう風に観るもんだと思ってましたよ。アホアホ言わないで!
さらっとではあるにしろアメリカの近代史の知識もあったほうがいい。ジョン・F・ケネディ暗殺、ウォーターゲート事件、キューバ危機、月面着陸、ベトナム戦争、こういった事件の背後にヒーローの活躍があったことが示唆されているので。
「勝利のキス」
この写真は第二次大戦終結を祝う人々をとらえた有名な写真ですが、この映画ではキスをしている水兵がヒーローに差し替えられています。
知っている人はニヤリとするカットがそこかしこに入っている。ウォーターゲート事件でニクソンが辞任してなかったりとか。そういった細部だけでなくストーリーも面白かったです。少数の犠牲の上に多数の幸福を成り立たせることは是か非かみたいなやつ。
ちょっと話が逸れますが、アメコミ映画というのは対象年齢が低めだと決めつけていた。アメリカにWWEというプロレス団体があって、そこにハリケーンというレスラーがいました。
まさしくアメコミから抜け出してきたようなキャラ。ハリケーンが登場したときのファンのリアクションも「HAHAHA!変なオタクが出てきたぜ!」という感じなんですよね。ちょっとバカにした感じで、あくまで色物としての扱いを受けている。
だから、アメコミというのはアメリカにおいてもメインになりえない存在だと思っていた。「スパイダーマン」はかなり評価されていたけど。だが大人が観てもおかしくないと認知させたのはバットマンの「ダークナイト」ではないか。あの作品が価値観の転換点になったように思う。
わたしがボーっと生きているうちにアメコミ映画の価値は上昇していたのか。今、デートで「アベンジャーズ」を観るといっても、まったく変に思わない。映画をよく観る人は「今頃なに言ってんだよ」という話でしょうが。なんだか浦島太郎的なことを書いてる。
だってさあ、アメコミのヒーローっていい歳してコスプレしてる変態だからなあ。でも、今やコスプレがどうこうなどまったくどうでもいい。こちらが完全に馴らされておりまったく変に思わないんですよね。それはかなりすごいことではないか。
あれ、ウォッチメンの感想書いてないですね。面白かったです!ロールシャッハが良かったね!お薦めです。
急に雑になった。
※一部、過激な暴力描写があるので苦手な人は避けたほうがいいかも。
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