玉川上水日記

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映画「愛のむきだし」

のむきだし
2009年 / 日本 / 監督:園 子温 / コメディ、ラブストーリー


キリスト教、盗撮、カルト教団、女装、暴力、いろいろ入れたら四時間ぐらいになっちゃった。闇鍋エンターテインメイント。いろいろ入っておった。食べられない物が。

【感想】ネタばれしてません。
園子温監督の映画は「冷たい熱帯魚」しか観たことはありませんでした。作品の評価は人それぞれですがとにかく観たことのない作品を撮る人だなと思いました。これだけ映画が溢れるなかで、やはりこれはすごいことです。

この映画のテーマはタイトルにもなっているように愛だと思います。ただ、こう真正面から愛といわれると戸惑ってしまう。思えば愛について真剣に考えたことがなかった。愛という言葉をつかうこともないんですよね。誰かに「愛してる」と言ったこともない。好きなら言えるけど、愛してるは難しい。これ以上なにか書くと、読み返したときに恥ずかしくなって、ノートPCを窓から放り投げて自分も放り投げそうだからやめとくか。安全第一。

主人公の男子高校生ユウ(西島隆弘)は父親から愛されたいものの、その愛は一方通行である。父親テツ(渡部篤郎)との繋がりのために盗撮を繰り返す。一方テツはサオリ(渡辺真紀子)という女につきまとわれていた。当初サオリを拒んでいたテツだったがサオリを愛するようになる。テツが振り向いたとき、サオリは別の男をつくってテツの元から去る。

ヨーコ(満島ひかり)は自分を助けてくれたサソリを想い、コイケ(安藤サクラ)はユウを思うがそれぞれの想いは一方通行だった。十分な愛が得られず歪んでしまった者たちがほとんどである。ユウがヨーコを愛し教団から命がけで救出しようとすることでヨーコはユウの愛に気づく。見返りなき愛こそが愛であるとか、そんな話なのかなと思いました。

四時間という長尺なのにその長さが気にならず観られました。妙にかっこうをつけた盗撮とか、盗撮の修行とか、そこらへんが軽いからあまり真剣に観なくてもよいからだろうか。精神病院にヨーコが乗り込むシーンやラストは良かったです。

西島隆弘満島ひかりも良かったですがコイケを演じた安藤サクラが光ってましたね。突き抜けてあちら側へ行ってしまった異常さが良かった。

園子温の映画は監督が誰かわからずに観ても「あ、これ園子温かも」と気づくかもしれない。とても好みが分かれる作品ですが、この監督のは観続けたい。ただけっこう血が出るんですよね。血、エロは多めというのが特徴です。家族で観るともれなく気まずくなるよ!一人で観よう!


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