玉川上水日記

このブログの内容はすべてフィクションです

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ダメ

▼打ち合わせに行った。打ち合わせも一段落し、少し雑談。5年後どうなっていたいのか、どうスキルアップしたいかということを聞かれる。

以前はそういう質問に対し、実に社会人ぽい建前を並べていた。最近はそういう質問もどうでもよくなってしまい、考えてないですねーなどといい加減に答えている。ダメな新入社員みたいだ。もちろん期待されている答えもわかっているし、それらしく答えることもできるけど、なんだかそういうことがくだらなく思えた。

以前お世話になっていた税理士の先生の影響かもしれない。その人は70歳近い。「おまえ、結局やりたいようにやりゃあいいんだよ」と、いつも豪快だった。人にどう思われるか、そんなことばかりを考えるのは面倒である。軽蔑されたところで、あと50年もすればだいたい墓の中である。でも、あんまり何も考えないと、それはそれでちょっと問題なので少しは考えますけども。とにかく、楽になったのは確か。ダメな人ってのは実に楽でいいなあ。

▼一緒に打ち合わせに行った隣席のTさんがコンビニで買い物をしている間、外で待っていた。灰色の猫が足元にやってきて、頭をわたしのくるぶしの辺りにこすりつける。首輪はしていない。野良なのだろうか。実に馴れ馴れしいやつ。

「おまえ、野良なのに‥‥。野良の誇りを忘れたのか。どうしようもないやつめ‥‥、本当にもう‥‥、かわいいなあ!」と撫でておりました。Tさんが目の前に立っているのに気づかなかった。

「しゅんさん(わたしのこと)、何してるんですか」

「猫を撫でているんだよ。将棋さしているように見える?うわー、こいつ、ういやつめー!」

「ずいぶんご機嫌ですね」

「猫をなでているときに不機嫌な人間などいるのかね!いるのかね!」

わたしはすっかりご機嫌になった。猫というのはいろいろ大変だと思うが、やはり生まれ変わったら猫になりたいものである。この世の成り立ちや生の意味といった形而上学的な問いと、今日のご飯はなんじゃろなー!というのを交互に考えながら生きていくのだ。そんなすてきなことってあるだろうか。

▼最近は映画の感想のようなものを頻繁に書いていました。どうも書き方がよくわからないんですよね。そんなこと言うと、この日記なども書き方もなにも滅茶苦茶だけど。どこかお薦めの感想サイトなどありましたら教えていただけませんか。