玉川上水日記

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映画「セルラー」

セルラー
2004年 / アメリカ / 監督:デイヴィッド・R・エリス / サスペンス

【あらすじ】最初の設定は書いてます。重要な部分はネタばれしてません。
理科の先生が誘拐されます。監禁先で、犯人が電話をぶっ壊します。先生がひそかに電話を直して助けを呼びます。たまたま電話を受けた人が、がんばります。おわり。

【感想】
あれ、こんなところに定食屋あったっけ?なんの期待もせずにフラッと立ち寄ったら意外とおいしかった。そんな作品です。大作感みたいなのが全然ない。

大作の宣伝文句には派手なものがありますよね、「製作費、何百億円!全米初登場第一位!歴代興行収入第一位!」みたいなの。ミッション:インポッシブルシリーズとか。ああいった派手さは微塵もない。この映画はミッション:インポッシブルで余った製作費で撮られています。怒られるわ。

作り上げられた状況が面白いんですね。「メメント」(記憶が短時間しかもたない)、「ソウ」(起きたら手錠で繋がれてたよ)、「インセプション」(夢の中でいろいろできる)という、もうその状況だけで面白くなっている作品がありますが、これもそうかもしれない。

誘拐されたジェシカ(キム・ベイシンガー)が、なんとか電話を修理して掛けるのですが、ボタン部分が壊されているので自由にかけられない。

たまたま繋がったライアン(クリス・エヴァンス)に助けを求める。この二人って、電話越しに話しているだけで顔を合わせることがありません。その状況が面白い。
で、このたまたま電話を受けちゃった人が女好きで軽いのである。腕に漢字で「氏」という意味不明のタトゥーを入れている。

ただごとならぬ頭の悪さを感じさせるよ。怖い。そういうキャラなのかと思ったら、画像検索するとどうやらクリス・エヴァンスは役だからではなく、本当に「氏」と入れているようなのだ。なぜ。

格闘技の選手で入れてる人は多い。ゲーリー・グッドリッジは「剛力」、スコット・ノートンは「閃光」というのは似合っていた。が、ムリーロ・ニンジャは背中にカタカナでデカデカと「ニンジャ」と入れていた。あれはどうなんだ。なぜ誰もとめなかったか。話がそれた。

真面目警官役のウィリアム・H・メイシー。この人、よく見ますね。名脇役ですね。職人ぽいイメージです。靴屋とかにいそう。今回はちょっとコミカルな役柄。

この作品はシリアスとコメディが共存していて、監禁されているキム・ベイシンガー、誘拐犯ジェイソン・ステイサムが出てくるシーンはシリアス。

クリス・エヴァンスウィリアム・H・メイシーはコメディシーンが多いように思う。だから力を抜いて観られるし、悪くいえば軽くなってしまっている。その軽さが好きか嫌いかは人に拠ると思う。わたしは楽しかったです。

誘拐犯イーサン(ジェイソン・ステイサム)。悪い人ですよ。ジェイソン・ステイサムは、やはり存在感ががいいですね。

ライアンに頭突きをするシーンがあるのですが、思わず笑ってしまった。あの頭突きのキレがねえ、いいんです。痛そうで。

なんだか今回は関係ない話が多いですが、プロレスで必殺技というのがありますが、べつにあれは痛くなくてもかまわない。痛そうに見えるというのが重要で、観客に「うわ~。あんなのくらって大丈夫かな‥‥」と思わせるのが大事。それを技の説得力などといいますが、そういう説得力がイサムさんにはある。体つきも、態度も、説得力があります。好きです。夜道であったら目をそらす。

テンポが良くて楽しめる映画でした。ジェリー・ブラッカイマーマイケル・ベイの映画に雰囲気が似てますね。


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